STEA 重い意識の中、私は目覚めた。 そして、ビックリした。 私は既に何者かの頭の中に入り込んでしまっているらしい。 その生物の視点から見る世界の外郭は、あまりにもオボロゲだった。 それに、ユラユラと揺らめいていて何だかとても不安定な世界だった。 無重力感というか浮遊感というか・・・ そんな不透明な感覚が私を支配していた。 今までの旅にない不安が胸を締める。 私は小声でステアに何事かを問い掛けていたけど、 何時も私の頭の中に住むように隠れているステアからの反応はまるで無い。 『ここは、どこなの・・・?』 その不安が私の胸の中には収まりきらず、つい口から零れた。 何よりもステアと連絡がつかないのが一番不安だった。 旅に出た瞬間にハンターにやられたのかとさえ思った。 それほど、この世界は異様だったのだ。 でも今、自分は他の生物の頭の中にあるという訳だから・・・ ステアは無事なのかもしれない。 私は取り敢えず自分にそう言い聞かせた。 私が入り込んでしまった生物の視界、動作から判断するに、 どうやら私が頭の中に入り込んだ生物は人間らしい。 ・・・でも、確固たる確証は無い。 ふと、その人物が何かをしたと思った瞬間に目の前の世界は一変していた。 どういう事か私にはサッパリ解らなかった。 ひょっとしてSF? それともタイムスリップして未来に来ちゃったの?? 考えれば考える程不安が頭の中を支配していく。 私はそんな考えを一掃しようと振れない頭を振り、 取り敢えず行動を起こしてみよう! そう、思った。 ■取り敢えず状況を把握する為にこの人間の思考を乗っ取ろうとする ■ここは大人しくしておいて、様子を見る事にする。 |