2012



9




9/29


探し物


探し物をしていました

あやふやな記憶を頼りに

いろんなアノコロの可能性を探っていました

探せば探すほど目に付いてくるのは

捨てられないガラクタやホコリ

置き忘れられたモシカシタラのまとわりついていた未来

絡まったケーブルやら情やら

よくもまあ こんなゴミの中で生活していたものだと

呆れたりイライラしたり

全部捨てたい衝動と

滑稽な夢と奇妙な妄想の混じったガラクタ達を想い

脱力し失笑してしまう感覚が混ざり合っていました


探すのをやめても見つからないモノ達は

いつか失くしたことさえ忘れられたモノ達に昇華していくのでしょう


サミシサはいつか昇華しますか?

サミシサはココロに含まれ

イノチに含まれ

コキュウに含まれ

鼓動にフクマレています

衝動の震源地にサミシサがあるのなら

キスとはつまりサミシサのことなのかもしれません


探し物はなんですか


9/24


祈るように 涙ぐむように

愛するように 呪うように

壊すように 育むように

匂うように 抱きしめるように


絶望の中で見た夢は

しあわせなミルクの薫りでした

赤ちゃんの匂いをこころいっぱい吸い込んで

静かな透明に隠れたいと思いました


愛してくれますか

殺してくれますか

キスしてください

殺気まみれのキスを


切れたくちびるから

綺麗な朱が流れ出します

傷口にはみ出た真実を

世界は見殺しにして回っています


祈るように ため息のように

愛するように 触れるように

壊すように 吸い取るように

匂うように 窒息のように





我知らず落ちてしまう恋の

素直な衝動でいてください



9/22


欲しくてほしくて仕方がないモノを

あげてください 捧げてください


痛くてイタくて仕方ないところを

触れてください 撫でてください


愛してほしくて狂いそうなら

静かに優しく 狂ってください

微かに煌めいて 狂ってください


抱きしめてほしいなら

抱きしめてください

これ以上ないくらいに

愛を込めて


血まみれでもいいんですよ

楽になれるのならね


欲しいのは

腕ですか

言葉ですか

優しさごっこですか


この腕と想いを送信します



PS.

愛を少しください






9/17


真夜中を探して真夜中に逃げ込む

淀みない漆黒の波紋を

こころを細めて感知する

淫らに乱舞しても許されるかもしれないと

また

真夜中を探して 真夜中に逃げ込むんだ


絶滅したはずの冒険が

冒険の入り口が

息を潜めて待っている

窒息の一歩手前で


痙攣した魂が

予言者気取りで言い放つマグレが

二回続いた後の深呼吸

クチビルに憑依した邪気達の

神聖に昇華していく

厳かな痴態の

ゆっくりと干涸びていく

VOXのチューブの奏でる

古びたアルペジオが

はらりと夜風に沁みた


真夜中を探して真夜中に逃げ帰る

罪深い精霊が

明日を呪う

真夜中を探して 真夜中に逃げ込む

善良な僕らが

朝を噛み切っている




9/12

朝寝坊出来るのに 光に誘われるように起き出して 庭に出てみたんだ

冷静は僕に教えている

奇跡なんて起きない いいことなんてどこにもないと

僕もやっぱりそうだと同意せざるを得ないのだけど

朝に混じった希薄な魔法が 僕に囁くんだ

ナニカ小さな素敵があるかもしれない

起るかもしれない

起こせるかもしれないと



目覚めた朝の純情は

繋がりたいという願望の残像だけ残して

気怠く腐敗した

微睡みの怠惰な甘ったるさが

僕の肢体に絡みついている

脳内麻薬の僅かなアンバランスで揺れるココロの

朝を遊ぶ

朝よ  ああ  朝よ

この指に止まれよ


リンクしましたかね?

ごくたまに

そんなことがあります

不思議は一滴の想いを垂らした奇妙のことです

奇跡は祈りの染み込んだ偶然のことです

共犯なんですよ

実はすでにね





9/10


9/9


僕らはサミシサで繋がっている


9/3


・ひまわりと月


ひまわりは月を見つめない

朝顔は夕焼けを知らない

一番星を見つけそびれた月見草が

あくびしたまましおれてしまう朝に

未完




寝る



酔っぱらいの動画


9/2



・スイカ回収



僕にはささやきかけるベキ魂が必要なのです



・自由ヶ丘ゼロ番地


明日 思い付きで仕事や学校をサボれる?

いや違うよ 

良心の痛みをこれっぽっちも伴わないでってこと

なんの心配もなく 

突然 放浪の旅に出られる?

全てを捨てて

しがらみも名誉も全て

だけど湯水のような資金だって自由の重要な要素だし

やっぱり元に戻りたいとか言い出して

許されると思う?

ねえ 自由ってなに?

ねぇ 自由ってさ


明日の朝に残っている君の自由とやらを数えてごらんよ

少しだけ遠回りしてぼんやりする以外に

いくつ思い付いた?

ねえ いくつ?


生まれてから死ぬまで

はみ出し禁止を仕込まれて

息苦しさを忘れさせられ

自由を叫ぶだけの自由しか

持ち合わせていないことを

考える自由さえ与えられていなかったっていう

そんな笑い話さ


ここは自由ヶ丘ゼロ番地

おう 君もご近所さんじゃないか





・理想


その時

指先がイデアに触れた


触れてしまった


ほんの刹那だった


それは祈りだった

祈りのはずだった


だけど禁忌だったのさ


恥辱の波紋が神聖の世界を満たすのに

一体どれくらいの時間がいったと思う?


それ以来

指先には罪がやどり

エデンは黄泉の気配に覆われてしまったってさ


まるで愛を語る愚か者が

愛から一番遠いように

唾を飛ばしながら語られる夢物語は

実は汚物まみれなのだ


思うのじゃなくて

想うだけ


指先とくちびるは

愛撫にでも使えばいい


思うのじゃなくて

想うだけ


深呼吸して

アクビになってもいい




・痛いほど 愛されたい




・まだ夏を肌に残した


あれくらいのビールで頭が少し重い

だけど朝は緩やかに流れ出していた

カワヤの鏡の露骨過ぎる優しさが

朱色の細い横縞の入ったタンクトップから零れた

まだ夏を肌に残した肉片を映し出していた


ほろ酔いの僕の耳たぶは

いろんなクチビルの爪弾く

優しい嘘を沢山聞いた気がする

そうさ

昨日は上手に浮遊出来たのかもしれない

でも自己申告の優しさが

大抵残念なメッキだったと

思い知らされる運命を含んでいるように


ただの奇妙なノイズを発生する

奇妙な肉片でいられればいい


まだ重い脳味噌を引きずりながら

今日はもっと素敵な嘘を発明してやろうと

鏡にウインクした

鏡にウインクしたんだ




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