2011年

6月

6/29


アイシテイルの捨て場所を
場違いな夜と死に探して
生殺しの惨劇を肴に
命という名の酩酊に溺れてみる

殺意が魂の再生への
素直な憧憬に収束するまでの時間を
永遠と呼ぶんだと天使が教えてくれた
予約済みのタマシイを
物欲しそうに眺める天使がね

その後の沈黙は
きっと盗作さ
と僕は
その薄汚れた翼を
物欲しそうに舐め回し返してやったのさ

さみしさを演じる罪を共謀して
詩人という罰を背負おうか

アイシテイルの捨て場所を
どす黒い翼で探す日々に
罪深き汗と聖なる発情を道連れにしてさ

6/28


昨日の夕暮れの
不思議な空の色と


こころの隅の染み付いたカナシミが
朝というある種の魔法で隠されていく
夜の魔性よりもむしろ強く

死神よりも天使の刄の方が鋭いと
そんなふうな感じに


そして
昨日と今朝の不思議が繋がって
僕はまた
朝に漕ぎ出す

何もなくても
生きていけるさ

6/27



願望が気配のフリをして朝に充満する  
むしろ絶対的な死よりも残酷に充満する  

君のいない夏が来る 
君のいない夏が

しあわせという淡い発光は
明日を知らない奈落でだけ影を落とす
痕跡を感じようと
瀕死にこころをさらす愚かを
むしろ静かに笑おうか

やさしいからカナシイんじゃない
かなしいからヤサシイんだ

 

6/26

・願望が気配のフリをして朝に充満する  むしろ絶対的な死よりも残酷に充満する  君のいない夏が来る 君のいない夏が

6/24

・あのね トラがね 行方不明なの  もう四五日も ゴンタしょぼ〜ん

・最愛

まるで絶対神の最上級を望むように
手のひらに乗せた小さなキスを恐れ
そして祈っている

せめてシンジツであれと

だけどそれは
一点の曇りもないそれは
イデアの世界にしか生きられぬ定めの

そして僕は

モノクロの曖昧の住人であり続けるという
卑怯な安住に退屈なあくびをまき散らしている

触れなければ汚さなくていい
しかし
一体ナニを汚したくないのか
グレースケールは明白を隠し続けている

6/20

・ネットは 逃げ場だらけだ

・この頃 完全な解放というものがない たぶん二年近くも  いつも心のへりに暗鬱がこびり付いていて それから目を背けて カリソメの微睡みにありついているような  深呼吸のフリだけしているような  冬に仮死状態になった仮面鬱が 深層でうごめいているのだろう  すべてがめんどくせ〜けど  未来が1mmずつしかたぐり寄せられないもどかしさがある 手探りで逆転満塁スイッチを探して 自爆スイッチを見つけてしまいそうである まあ 押す勇気も ひ弱さも 持ち合わせてはいないのだが

6/19

半分は さみしさなんだ
しあわせとか あいしてるとか

半分は さみしさなんだ
ゆめだとか 未来だとか

半分は サミシサなんだ
泪とか ため息とか

半分は サミシサなんだ
昨日とか 僕らとか

半分は 淋しさなんだ
クチビルや 抱擁さえ

半分は 淋しさなんだ
月だって 太陽もさ

半分は 寂しさなんだ
恋しさや 憎しみさえ

半分は さみしさなんだ
体液も 息苦しさもね

 

・タイムトリップ

イントロの静かなピアノのアルペジオが
数秒でアノコロを召喚してしまった
切なくて止めたその歌声の
空白にも聞こえてくる
ささやくような
涙ぐむような
余韻の揺らめきが

恋を痛み 未来を描けぬ指先を怖れてもなお
思春期未満は あんなにも空を望んでいた


君が架空で終わる前に
架空に君がとどめを刺す刹那に

書き留め得ないこの感情を
たった一息で描写する口笛が
僕の中に眠っていますようにと

何もない日曜の午後のヒトリ
共振してしまう魂をそそのかす夢に落ちる

 


落ちてこない詩情を想う
昨日の僕の背中が
腐乱した夜に汚らしく浮かぶ

話しかける
話しかけたいと願う
省略が美学から除外されて
形容詞が形容出来ない空白は
ゼロでさえいられなくなる

夜も風も月も
すべてに混じっていたはずの
君のシルエットとしての魔法を
とうに失ってしまったんだ

 

6/16


風邪なんて存在しない
頭痛がして悪寒があって
節々が痛くて身体中が火照っていて
喉が痛くて口が渇いていても
風邪なんて存在しない

体温計なんて使わない
熱なんてない
少しだけ咳がでるだけだ
風邪なんてひいちゃいない

不本意ながら妙に早寝して
明け方の身体の重さを
気のせいだと言い聞かせる
風邪なはずない
風邪は禁止になっているんだ

風邪禁止法は国会で可決されたって
どこかで聞いた気がする
気力とかじゃなく
これは風邪じゃない

冗談言うなよ
コンプライアンスだよ
法令遵守だよ
風邪なんて下衆がひくものだ
これは絶対風邪じゃない

6/14


絶望だけで書いた手紙の
なんと優しいことだろう

夢色だけで描いた明日は
嘘つき呼ばわりに耐えられるだろうか

ササクレだったこころの
痛みへの嗅覚が少し哀しくて

微睡みに落下する加速度の
幸福の1gで夜に溶ける

突き刺すようなアイシテルの裏腹に
言葉を枯らした男の背中が見えた気がした

ココロ八分目
足りないと意味を食いしばり

想い八分目
空白に宿る精霊だけを祈る

 

6/12

・孤独とは 人の孤独をも感じられない ある種の不感症である

・特別でなくてもいい でも 

 たったひとつで ありたいのです

6/10


さよならのほとんどが伝わらないままで
こんな真夜中にうずくまっている
忘れる と 押し殺す の
罪としての重さで踊る天秤の
あからさまに振り切る様を
予習どおりの驚愕で迎えた

言葉は汚してもいい
こころも
だが魂は汚すな
魂だけは

 

6/9

・朝はある種の充満である

6/8

朝 分散和音



白紙の答案用紙には自由があって
ゼロは無限大を含んだまま

天気予報にはない朝に
最上級のアイシテルを想った

あげたものなどない
あるのは千切って捨てたココロだ

優しさごっこはどこか汚くてね

いや 
残酷さえ愛しいんだからさ

秒針だけが痛くて
呼吸を確かめてしまう

ただそこにある
ただ

6/7

・根拠のないしあわせが ただの一過性の高揚感が 一番始末が悪い

6/5

 


触れようとした指先で痛めつけ
殺そうとした声が傷口に共鳴してしまう
何度となく繰り替えした
馬鹿みたいに まったくバカみたいに

ひと思いに 一瞬でとか
そんな優しさは持ち合わせちゃいない

苦痛と快楽の狭間で
生涯を悶絶し続ければいい

血まみれなら純情なのかと
その心の臓に直接

まるで命みたいに熱いから
締め付けるだけで
握りつぶしはしないさ

それがホントの望み だろ?

なぁ

 

 

6/4

・刃物と詩人は 振り回してはいけない

・せめて絶世の死に様で

6/3

・今日最初のおはようを 今夜最後のおやすみを  夕暮れに1mm  はっと見つける1%

6/2



ただ生きてしまう
この鼓動が少し歯痒い
命にしがみつく
そのがむしゃらが
ひどく醜く感じて

一滴のタナトス
腐敗の彼方の透明
綺麗事とキレイの分水嶺

書きたいことと書き得ないことが
喉元で
いや
ハラワタで
うごめいている
 
 感じてしまう
  確かに
   タシカニ

この魂への致命傷になるだろう
殺したいのじゃない
飛びたいのだ
翔びたいのだ

ただ生きてしまう
その鼓動が少し愛しい

6/1

・その先のまだ向こうの ありがちな儚ささえ見えてしまう せめて空虚ではない痛みをと願う  この曇天の朝の向こうに 例えば 君を感じるような

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