2009年

だけど5月なんだ

5/31

・統計学的にいうと僕はしあわせだ 

薫りに抱かれる夢 
甘いシャンプーの匂い 
秘密と光が交錯して 
短い陶酔が流れていた  

今はまだ五月を恨むまい 
予感のまま眠るのもまた
心地いいものだ

半月以上もご無沙汰な月を見つけて
話したい感情が流れ出すのを見たんだ
 

しあわせ未満 恋未満 
そこにはいまだ冷めぬ余熱があって 
淫靡を過ぎた惰性よりも 
罪深い未完の純情の歯がゆさが 
僕は好きなんだろうから

毎晩前夜祭みたいに
はしゃいでみるのも
いいじゃないか
期待値は平凡の中に
紛れ込むのだろうけど

・夜はいつも 明日前夜さ

5/30

・送っても 
送らなくても 
後悔はある  

送信ボタンの前で 
投稿ボタンの前で 
僕はようやく 
自分の中心に気が付くんだ  

痛かったらゴメン 
笑って流しておくれよ 
痛かったらゴメン 
だって痛くしたもの

・陶酔はしあわせのフリもする

^^^

・孤独は完成しない 

・ネオン色した街灯の
恥らうように燈る夕暮れ

・次の朝にしぼんでいない風船がいい
パンパンに膨らませても
絶対破裂しないのがいい

手をはなしてしまっても
呼んだら戻るやつがいい

飽きないように色を変え
カタチも変えてくれればいい

風船ひとつ独り言
うなずくように震えておくれ

・雲海の中に住みながら
 雲海を感じることは難しい

5/29

・寄せて上げることよりも

寄せて上げてきれいを願う行為そのものが

君を綺麗にしている

5/28

・平凡な右目で

僕はこの平凡な右目で
僕の知らない世界を覗く
想像にはでも体温が足りなくて
だからその綺麗な蝶の刺繍の
背中を愛撫してみた

背負った勢いと自負と
そんな狂気のような強さが眩しくて
何も語らないこの背中が
想いにきしんでしまうんだ

下心を裏書きして
上書き保存しただけの日々に
バラバラになった心象を
もう絵にさえならない
粉々の印象だけを

どこまでが演技なのか
きっと僕らにはわからない
密室におびき出された天使達は
オートロックの解除までの
過分な純真のままさ

使い捨ての笑顔を
いくつかき分けてみても
本当過ぎて嘘に見えてしまうんだね

寒いとヒンヤリの間で
寂しさが切なさに繋がっているような
そんな気がしてさ

・信じ切るという盲目 

5/27

・先を急ぐ旅では 見えない景色もある

5/26

・笑わないと真面目さも忘れちゃうんだ 真剣と仏頂面は全然違うってば

・咲き乱れる ただ咲くと 少し乱れちゃう 咲き乱れる そっか 乱れてもいいんだ

・散歩で永遠ばかり探している

・夜と朝と そして僕には 春が残っている

・忘却には まだ薫りがある

・感度を上げ過ぎると 雑音も増えてしまう

・詩的爆発が そこにあるか否か

・カッコいいって ひ弱も隠れてる

5/25

・話しかけることは 結構な恐怖でもあるんだな

・羅列すれば 愛は枕詞に成り下がる 

・神という言葉自体が偶像さ  もちろん 偶像にも魂は宿るけどね

腫れてるから気になるけど
腫れてる時は触らない方がいいよね

・痛みがあるのなら 傷はまだ浅いのかもしれない

・言わぬが鼻毛(自分的にはツボ

・言葉に出来ないことを言葉にすること それは意識したくもないことを意識に浮き上がらせることに似ている 苦痛でもあり発見でもあり驚きでもあり愚行でもある  言葉にしたくないことに触れてはいけない 僕みたいな手遅れにならないことを願うばかりさ 

・キレイだけを集めても 綺麗は描けないんだよ

5/24

・世界と剥離できた時だけ 詩人に変身できる 幽体離脱みたいなもんで 戻るのも少し難しい 

・抱き合えるのは肉体だけだ  

秋本さんへ

愛情は時々凶器になるね

でもさ
サッカーが好きだろ?

すべてが順調な時の120%なんてさ
その逆の時の95%に比べたら
大したことはないよね

自信なんて探して見つけるもんじゃないよ

ギリギリの渾身じゃなきゃつかめないものがあってさ
君は僕らには計り知れないくらいの汗と涙と苦渋の末に
そのギリギリというステージに立つ権利を手に入れたんだよね

沢山の悲劇と数少ない奇跡が生まれる
その緑の神聖の上
美しいゴールの影で
僕らは目立たない献身を
見逃してばかりいるけどさ

もう少し見つめていてもいいかい?
寡黙な君の噛み締めるようにほころばせた
精一杯を少しだけ超えた場所での
あの笑顔をさ

5/23

だれかれ構わず求める願望が
ゆっくりと
ひとつの魂に収束していく
静かな道程

その夢物語を
現実に脚色する過程で
あまりにも設定に無理があって
投げ出してしまった
そんな今日だね

台本なしで舞台に踊る
ウォームアップさえ
舞台の一部になる
暗転はミスを悔やんでいる時間を
待ってはくれない

こころの弦が震えたのを真似して
さあ
踊ろうか
即興の真実を

5/22

春は堕落した
恥じらいもなく
濃い緑に寝取られてしまった

まるで少女が
容易く夏の夜に
浸食されてしまうように

卑猥な炎に群がる
虫けらどもの
愚かしい本性を露呈しながら

春も堕落した
恋に囚われて
いつのまに発狂する
僕らのように

5/21

・痛点を共有するということ

この胸の奥に封印した痛みがあって
それは君の子宮よりも少し深い場所への
非常口だったんだと
さっき気付いた
扉の鍵はたぶん同じだと思う
根拠もなく
そう信じている

外側からは手強い鎧を
ほとんど不可能の意味が
身に染みるくらい手強い鎧を
僕らは着込んでいるから

たとえ粘膜が絡み合ったって
辿り着けるはずはなかったんだ

やっと気が付いたよ

だから僕はこんなに
この人格の根幹である恥部への執着を
消せないんだ
動物的な勘ってやつだね

もし辿り着けても
ノックはしないよ
いいよね

・動機なんて不純でいいんだ

・すぐ隣りの僕に潜む詩人を知りもせず 君  すれ違った君に染み付いた叙情を時間差で感じ取る 僕  

汚れもなく 嘘さえ必要ない
恋の前の寸止めで
引力に気付く前の満潮に浸る時間

上着だけ脱ぐつもりで
のぞいてしまった無意識に
頬を染めたのは
むしろ僕の方だったのかもしれない

その刹那を瞬間冷凍しちゃいたいけど
誘導尋問でしか答えられないのだから
みんな記憶の中でキレイに偽造しちゃうんだね

汚しても 嘘でも
そして醒めてしまっても

君の隣りで飽きもせず
殺し文句を編み出し続ける
僕でありたい

ああ
隣りって

けっこう遠いけどさ

5/20

・かなり酔ってますよ モチ! VFKの試合の為です 90分で たった350を3本 サッカーには条件反射でビールな僕です だから詩人を封印して 少し甘ったれようと思います 今夜の試合は必死と渾身のぶつかった とってもいい試合でした 根性論って嫌いなんだけど やっぱ気持ちです だから君に頬ずりしたいんです 世界の波動の感度は めっきり弱くなってます でも 君にはキスをせがみます 起きながら夢の中です 解放なんでしょうか あんまり色気がない気がします 恥じらいとか抑制なんでしょうかね ポイントは  すきッ腹のビアーは沁みますね ご機嫌に眠りますよ

5/19

同じような夜の 
どれひとつとして
等しき波動のない  

噛み締めるように歩めば 
じわりと今宵の味のする

・聞こえるまでが時間が掛かるんだ〜

・なにひとつ

なにひとつ失わずに
痛みの欠片ももちろんなく

なにひとつ恥を晒さず
苦渋に悶えることもない

0gの夢と
0mmの悲しみでも
天秤棒はバランスする

欲を忘れられるのなら
それは究極だろう

でもさ
眠っても忘れられない願いを
羽交い締めにして生きるのも
充分に痛みだと
僕は思うんだよ

なくしたら創ればいい
痛めたら癒せばいい
羞恥なら開き直ろう
苦いゲロなら吐いちまえばいいのさ

なにかひとつ

うん!

^^^

・ああ 入金ってどうやったっけ?

・ホンキートンクをかき鳴らせ

本気とポーズの間 
本気と狂気の隙間 

狂おしさを帯びてしまった切望にだけ 
舞い降りる光がある 

愛してるなんて 
口走ってるうちは 
まだまだ 
あまちゃんなんだろうな 

ホンキートンクをかき鳴らせ 
ベイベー!   


ベイビーなら失格!

5/18

・しあわせはどこにもなくて そしてそこら中に溢れているもの しあわせを感じるには だけどある力がいるのかもしれない 大脳生理学的に あるいは薬学的にいえば ある種の脳内麻薬 だけど僕はそれを言葉の絵の具で 君というキャンバスに描いてみたい もちろん 協力は必要だよ いや ただの想像力 そう 妄想に近いやつ それだけでいいんだけどね  UFO見たとか 幽霊見たとか オーラが見えるとか そんなイカレタ感覚を 信じ切るんではないけど 許容してしまうくらいの柔らかさで  あ 今夜は 想いだけで描いてみようかな ぷにゅぷにゅしながら 待ってってくださいな

5/17

・ホントは

ホントは君を泣かせたい
ホントは君を笑わせたい
ホントは君をくすぐりたい
やっぱりホントは泣かせたい

ホントのホントが嘘ならば
その嘘ホント?と笑えっておくれ
嘘にまみれたホントのホント
沁みた心に雨の降る

ホントは君を泣かせたい
ホントは君を笑わせたい
ホントは君を泣かせたい
ホントは君を抱きしめたい

・勝利パンツのご利益はありませんでした!

・勝利パンツを履いて小瀬

・さよならの下書き(ある出会い系での

消えてしまうその前に
書いておきたいことがある
突然行方不明になることは
とても卑怯なことなのだろうから

僕は不埒なままだ
でもそれを許せもしないでいる
だから いつでも暴発できるこの場所で
安売りの誘惑を眺めながら
ここで書いた

ここにはない
ここでは見つけたくもない
something

身の程を忘れた欲望達が
大人びた手打ちで絡み合う出会い系というヤツ
最も嫌悪し だが執着するこの魂が求めたから

純粋と狡猾の分離は
恋から発情を取り除くことのように困難で
わかり切った検証作業を永遠に続けることでしか
不可能は証明されない
すべては単純な混濁だったのだ

だから僕は純粋を気取るこころが嫌いだ
自分を含めて

だけど幸運にも素敵な魂を見つけた
そいつは強く すごく振動していて
それはそれは眩しい上物だった
人間って面白いと思った
それでもう充分なんだ

そしてもうじき僕は旅立つ
時々下心が眺めてしまうプロフが
ポイントを食い尽くしたら

でも
僕は消えない
僕は消せない
書き散らかしたキーワードで
ググレカス
僕のすべてはそこにある

ああ、残り35P!

・ロジックとリリックの交差点

ロジックで発情を隠匿しようと試みる雄どもと
リリックで衝動の免罪符を得ようと試みる雌達の
露出した魂のすれ違う刹那
寸止めの視線だけが放つ
最後の真実

軽い目眩の後の
予定調和のさざなみに
心が生と寄り添う場所
どうしようもないサガとして


酷い頭痛をナロンのエースで誤摩化して
どうにか辿り着いたリハーサルスタジオの後の
色に溺れる独身男二人と
所帯持ちでセックスレスの男 そして女
そんな奇妙な東西南北の酌み交わす酒宴

串焼きとビールの乱れ飛ぶテーブルで
生命力の欠片も残らぬ中年達の
ため息のような下ネタの海で
僕が いや僕らが見つけた
ロジックとリリックの交差点
男女の深層
言葉は進入禁止の
肌の隙間

冷静になれば
それぞれのしあわせ
ため息を舐め合えば
優しい絶望が笑い出す世界

ライブやろうぜと男が叫ぶ
月一のスタジオも危ういというのに
そんな無謀な冒険が
僕らを少し強くするのだろうか
夢は無謀の方がいいよね

5/16

少なくとも まだ 
ドキドキする権利だけは手の中にある 

運命なんて信じない 
でも宿命になら 
不本意ながらうなずかざるを得ない部分も
くやしいけどね 

変わりゆくもの 
変わらないもの 
変えたいと望むこと
変わらないと信じること 

流れに刃向かえば浸食していく何か 
よどみにうずくまれば腐敗していくナニカ 

軽い倦怠感を身にまとい 
少し手遅れな今日を取り戻そうと 
柔な決意を
懐に隠している

曇り空でも

5/15

・雑踏の中に僕を捜しに行く

^^^

・眠気との甘えた後戯

眠気に甘えた後
朝にぽつり

努力は容易くはない
しかし
無為自然でいることは
もっと手強いのだなと

ピクッと視界の隅に見えたとたん
消え去る微か
求めることは
求める道はただひとつ
忘れるということだけ

そのままを
無駄な力を排して
そんな意識こそが
朝を濁らせていく

問い詰めても朝

靴を履いたら
もう傍観者じゃいられなくなるんだ

5/14

・叶いそうで叶わないものの前でだけ 僕らは悲しみの色を知る

・一行なら 瞬間に間に合うだろ?

・理解しようともがけば 
理解は遠ざかる  

自らの中に 
欲情のしっぽを感知して 
口先だけでは
仕方ないよねっなんてさ  

見つけても感じないことと 
感じても許せないことと 
許しても解放できないことも  

そんないろんな感触の間の 
静かだけど強烈なエネルギーの
危なっかしい平衡があってさ  

その緊迫の暗号を
さらにモールス信号に変換して 
馬鹿みたいに言葉に忍ばせてみるんだ  
僕は言葉も書く 
言葉だけは書けない
言葉だけは書きたいと思わない  
だからみんなラブレターにしか
ならないのかもしれない 

それなら仕方ないけど

わかりやすいラブレターがいいよね
やっぱりさ

・「高級ブランド時計が今なら」とかいう宣伝文句が...  「高級○-プランド」に見えた朝  素敵な予感の欠片も全くなし 潔いという断絶 さて

5/13

・身の程なんて 忘れちゃいました

空ばかり見つめても 
空のすべては見尽くせない  
地面だけ見つめても 
猫背が忍び寄るだけで  
前ばかり眺めても 
10秒先の未来さえ探し出せない  

腹黒いハラワタを内包しながら 
潔癖性だけが一人歩きする  
不自然な無菌状態で 
ひ弱な優しさごっこに明け暮れる僕らは 
教科書通りのセリフしか言えなくなってしまっている 

ギザギザしようよ 
もっとギザギザしようよ
しらけちゃうくらいならさ

・はい いんちゃん復活だす

^^^

・触れてはいけないものが見えてしまうから 触れたくなっちゃうんだ

^^^

・薫りといっしょに届きました!

・足跡に群がるハイエナのように 殺し文句もなく欲情を晒せば 人並みの無様にありつけるものを

5/12

・今ってヤツの前で 言い訳は無惨だ

・カーテンを閉ざせば 秘密は少し卑猥に染まる

・今夜の風は羊水みたいだったよ

--


服を脱いで
肌を脱いで
こころの被膜も脱いだら
もうダイスキしか残らないんだ

無闇に脱いじゃダメさ

大好きの前でだけ
たった一度のダイスキを
呟くんだ

たぶん 僕らは
その為に
生まれたんだからさ

5/11

・触れてみなけりゃ 痛いのかさえ 確かめられない

--

ありきたりの言葉で
あり得ない世界を描いて

発明したての暗号で
いつもの夜を塗りつぶす

出来損ないの暗闇が
奈落のようなきれいな黒に
輝き出すまで

生まれたばかりの求愛を
蛙達は絶叫する

恥ずかしげもなく

発狂にも似た懇願が
やけに肌に沁みたんだ

「アイシテル」の持つ響きは
衝動の前ではあまりにも陳腐だよね
触れてしまいたい指先の
言い訳にさえ なれやしない

黒だけで夜は描けるさ
どんな夜でも描いてみせる
アイシテルなんて
クチビルで塗り潰してやるさ

とか
散歩は楽し♪

--

・ノイズはいつか

ノイズはいつか メロディーに帰着する

歌声はやがて 雑踏に拡散する

変わらないモノを探すうちは
変わりゆくガラクタしか手に入らない

枯れ木の山に僕らを隠そう
猥雑な森に息を潜めよう

見つめ合う百年も
抱きしめた一秒も
すべてね


気まぐれな風が
木の葉を舞い上げたら
誰かの耳に
メロディーが届くかもしれない
鼓動を忘れた魂に
命が宿るかもしれないだぜ

偶然を運命だなんて
言い張らない
いい子でいられたらね

空白は源泉さ
空虚こそが幻想なんだよ

僕らもいつか メロディーになるのかな

そんなの 知らないよ

^^^

指ひとつ触れずに濡らせるかもしれない
でも 果たして 逝かせられるだろうか

いつかソイツを生け捕りにしてみたい
哲学者も 科学者も 
宗教家も 芸術家も
詩人になんて
もちろん手の届かない
そいつを

それはきっと
約束も消え去った朝のことだろう
ちょうど 夜が死に絶えた頃だよ
一度だけ抱きしめたら
また世界に返そう

光が迷子にならないようにね

5/10


混線した思考のコンクルージョン 
あの時一度だけ 
錯乱がリンクした 
確かに 

繋がったという錯覚が 
僕らをこころのストリップショーに誘う 
陳腐な寸止めの 
裸ごっこと呼んだ方がいいストリップさ 

まな板ショーを懐に忍ばせて 
こそこそ逃げ出してもいい 
無礼講さ 
こころなんていつも無礼講さ 

猫なで声で隙だらけの背中から近づき 
愛撫するように爪を立ててやろう 
欲しいものが何だったか 
思い出せるようにね 

大好きな生きている真紅の 
これは痛みじゃない 
喜びなんだ  

混乱した思考のコンセントレーション 
禁句を飲み込むから 
禁断が増大しちまう 

ほら 
こんなに 
もう 

手の付けようがないじゃないか

^^^

スケッチブックを持ち歩いている
表紙には イタズラで詩集って書いてある

僕がひとりだと感じている時
きっと君の半分もシンクロしていて

夜は不完全な闇だ

5/9


打算でうなずくくらいなら
殺してくれた方がいい
いっそ ひと思いに

 直球の月
  
  満面の君


魔性も邪悪も精霊も
今夜 等しく真円にひざまずく

ねえ 衝動には
衝動には嘘が混ざるのかな

呪いはあの夢が解いてくれた
呪縛の根源は僕のプライドだった
平凡を想い 平凡を蔑む
僕の歪なプライドだった

「あの頃」はもう死んだ
あるのは今と未来だけだ

高揚と陶酔
夜と静寂
誰もが抱きしめ合う
残酷な週末に

五月も魔法だったんだ

5/8

・明け方の夢

接吻の代わりにハイライトを燃やす日々
抱擁の代わりに微睡みに埋もれている

明け方に出会った君は 過去形ではなくて
まるでよく出来たホームドラマの中の
よどみない普段着の優しさをまとい微笑む
僕は夢中で寂しかった日々を
まるで今という豊潤な予感の為の
静かな助走だったかのように
楽し気に それはもう楽し気に話した

買い込んで置き場所がないドラムや琴を
トイレに押し込んだことや
今はヴァイオリンを触って ウッドベースも欲しくて
実はいつかセロにも辿り着きたいことや
そんな歯止めが利かない夢の中の夢物語を
些細な笑い話の中で流れるだろう
僕らという時間の胎動を噛み締めながら


目覚めて微笑んで そして呆れる
キスが欲しくてタバコに火を付ける

認められなかった感情を
少しだけ受け入れて
僕はまた二度寝の誘惑に押し倒された

もう夢に紛れ込まなくていいよ
ちゃんと感じてあげたからね

おはよう

そして

さよなら

5/7

・バスタオル 共有をした夢を見て

^^^


夜半過ぎまで降り続いた雨は
何を洗い流すのだろう
声も気配も消して
僕の陰鬱も洗い流してくれればいいのに

意識した途端にこころは萎縮して
昨日までの奔放を思い出せなくなるね
どんな風に笑ったらいいなんて考えても
笑顔の不自然さは隠せない
思い出すまで笑わなくてもいい
そんなとても簡単なことだったんだ

夜は暴いても闇さ

光じゃない何かを
眼球で受け止めよう
見えたことも聞こえたことも
感じたことの一部で
触れたことも触れられなかったことも
触れないことも触れ得ないことも
距離も時間も
意志も流れも
すべて
(眠くて未完

5/6


忘れる為に抱きしめるんじゃない 
思い出す為に抱きしめるんだ 
 
探す為に抱きしめるんじゃない  
答え合わせでも 
もちろんない  
模範解答をはみ出した場所で  
ただ 
抱きしめたいから抱きしめるんだ 

ルン ダルン ダ〜 
ルンダルンダ〜 
ルンダルンダルンダルンダ〜ァ♪

ルン ダルン ダ〜 
ルンダルンダ〜 
ルンダルンダルンダルンダ〜ァハァ〜♪

イェイ!

答案用紙の裏側で
イタズラ書きが
歌になる

透けたブラウスを視線で触れても
気付かないあの子は
ひたむきな背中のままで
北向きなこの窓からでも
世界の半分が見えた気がした

ルン ダルン ダ〜 
ルンダルンダ〜 
ルンダルンダルンダルンダ〜ァ♪

ルン ダルン ダ〜 
ルンダルンダ〜 
ルンダルンダルンダルンダ〜ァハァ〜♪

イェイ!
せんきゅう

5/5

・多分これは恋で 恐らくはそれも恋だったということ

・もっと深く もっと静かに

永遠に考えても世界は救えはしない

命は大切だと教わったのは
多分、保育園の時だったと
いや、教わったのは
一番大切なモノはなんですかと問われた時に
「命!」と反射的に答えることだけだった

どこで線を引くかだよね
豚を食らい 鶏をむさぼり 牛によだれを垂らしながら
僕は生きている
菜食主義者は罪を免れるだろうか
木や草や花や実や
それは命ではないと言えるかい?

動物実験で命を弄ばれる数限りないラット達と
その結果救われるかもしれない数多の命と
一つの正義が裏返せば邪悪に満ちてしまうこの世界を
でも僕は容易く断罪出来ない

原子力発電所の内部の作業は
あの防護服は放射線を全く遮らないって
知ってた?
積算した年間被爆量の安全基準とか
そんなもの本気で信じちゃいないよね
どんな人達が命を金に換えて
取りあえずの明日を生き長らえているのか
想像してごらんよ

ねえ 命って本当に一番大切なものなの?

どこかで汚い境界線を引かなきゃいけないんだ
その為に必死で考えなきゃいけないんだ
考える為には必死で知らなきゃいけない
そんな行為は僕らを疲弊させ
命を削ってしまうかもしれないんだぜ

無知はもちろん罪さ
ならば神以外はすべて罪人さ
だけど僕は原罪ってやつが
あまり好きじゃない
どうしても好きになれないんだ
それも罪かい?

すべてはバランスなんだ
無力を知り
でも微力を願う
側面だけでは月さえ知り得ない


殺戮のない平和が長続きしないのはなぜか
平和は儲からないからとしか
今の僕は答えられない
だけど そんなこと
声高に叫ぼうなんて思わない
ジョンはある意味祭り上げられただけで
でもその苦悩の先にイマジンという
悟りを歌ったんだと思う

僕は毎晩祈りを書く
祈りは無力で
でも祈りほど優しい力はないと
思っているから

でもそれだけじゃダメなことも
沢山ある あり過ぎるんだ

もっと深く
もっと静かに
もっと深く
もっと秘かに

君にも
いや
君にはできるよ

^^^^


吹き出した
不覚にも吹き出しちまったんだ

見上げた夜に
結構厚い雲
辛うじて雲を透かして
君の気配がある
今夜は会えないな なんて
会えないのもたまにはいいさ
とか
無意識が呟いた

何もない夜
義務感に押し出された夜
何日分かの疲弊に埋もれたパワーが
終わりかけた夜中に
ようやく目覚めるなんてと
皮肉も少し
ため息に混ざってしまった

角を曲がった空に
思い掛けなく君を見つけた
僕に一目会いたくて
雲をかき分けた君が笑っていた
不埒を孕んだお腹が
イヤラシくて素敵だねなんて
言う前に吹き出してしまった

何度も頭をもたげる疑念が
また開花する音がしたんだ
僕にとっての特別が
僕を特別だと思っている
荒唐無稽のお気楽な物語さ
その続編を
今夜は夢の中で書けそうな気がしてきた

もう一度 角を曲がって
気になって振り向いたけど
もう君は隠れていた
有り得ない確信は
揺るぎない笑い話になった

僕は空に投げキッスしたんだ
秘密だけど
月は僕にぞっこんなんだぜ
だけど内緒にしておいてね

5/4

・特別は平凡の集約だった


時限爆弾は眠り続ける 
未来を予言したら 
神様の商売は上がったりだよ 
時限爆弾はでも眠っている 

秒針は不規則な前後運動を
ループしながら 
明日にも過去にも迷い込んだフリして 
鬼のいない鬼ごっこに
明け暮れている 

混乱しても重力が大地の方向は教えてくれる 
さて じゃ未来は?  

感じたい願望が導き出す次の一秒に 
一滴だけのしあわせが
僕らの海の遠い透明に希釈されたら
 
不発弾のまま眠るのも
おつなものかもしれない 
容易く爆発しちゃ勿体ない  
大事にし過ぎても意味はない
とどの詰まりは
なんでもアリってことだったんだ

5/3

・ブルースは終わらない

もう無理かもしれないと思っていた
やっぱりそうだった

どこが好きだったのか
正直よくわからない
多分 世界中で一番
嘘の少ない言葉を紡いでいた
そう感じていたからだろうか

最初は嫌いだった
男のクセに化粧をして歌う
変なヤツだと

バンドごっこを始めた頃
思い込みだけで生きている
悪友に連れ込まれたバンドもどきで
はじめてしっかりと彼に触れた
意外に気持ちいいじゃんって
それ以来の長い付き合いだった

朦朧とした意識の中で
彼の訃報を見つけた昨日
僕の中では悲しみは発動しなかった
それは
それは彼がやり切った人だと思ったから
直感で
うん
彼はブルースを歌い切ったんだなってね

でも僕らのブルースは終わっちゃいない
崇拝するでもなく
伝説に美化するでもなく
ひるまず
おごらず
それぞれのブルースを歌い続ける日々に
汚れているように見えて
飾らない美しさで

いつか彼の歳を超した時
どんな後ろ姿を背負えるだろう
楽しみじゃない?

ファンには怒られるだろうけど
尾崎君が亡くなった時
テレビのインタビューに答えるファンの言葉に
違和感を思えちゃったの
「彼は僕らの代弁者だった」とか

笑わせるんじゃない!
冗談じゃない!
声を出すという痛みも経ないで
陶酔するだけの魂は
新興宗教の信者のようなものに過ぎないって

小さな声で
自分のブルースを
自分だけのブルースを
ほとんど同じな
スリーコードの退屈を

でもブルースは終わらないのさ




5/2

・清志郎 いっちゃったか〜

・上弦

はんぶんこした
肌色と黒を
罪と疲れを
僕らを半分にしても
僕らでいられるように
神様に捧げたお祈りも
半分だけ


5/1

・五月の枕詞・

疲労困ぱいの五月 
誰かの薫りを枕に 
しあわせという夢が見たいだけなんだろうな 
僕ってやつは  

人生が死への枕詞だとしても 
自己完結しただけの寂しさにだけはするまいと 
暗闇にまだ強がる僕はいる 

誰かの喜びが 
別の誰かの悲しみになる世界では 
結局盗人達は無一文のまま眠るのさ 

夢を見よう 
五月という飛び切りの夢を 
美しいはずの季節に 
眠りほうける素敵な夢を 
逆撫でに遊ぶ指先が 
愛おしくて堪らなくなる 

そんな夢をさ

 前月へ

 

戻る?

お家に帰ろうね