2006年

9

9/30

・なぜかパソコンに接続してあるスピーカーから北京放送(日本語)が聞こえるんですが。

9/29

・疲れっていうより脱力だな。今夜の僕は。理由は上げればいくつかは見つかるけど。それは今書いた好きの理由みたいで根本じゃない。抱きしめる前に眠ってもいいかい?体温より甘い薫りだけあれば幸せなんだ。目が覚めても一人じゃないっていう贅沢が欲しいだけなんだよ。薄れていく僕らの想いも記憶も、僕の中心から溢れる愛よりも平凡な願望にはかなわない。何もない方が優しいんだぜ。全てあるのに、みんな少し足りないんだよ。もう寝てやる。

・誰かが寝そべった夜という気配。僕はぼんやり浮かぶばかりさ。嬉しいのか悲しいのかなんて理解出来ないで、ただボンヤリしているだけだって。後からひねり出した好きの理由なんてさ、後だしジャンケンみたいなもんさ。インチキで汚らしいよ。君の中の雌をくすぐるか否か、だよね。僕の中の雄はって?そんなものいつだって悶えているからね。

9/28

・さて、本日は10/7に東京でやるライブの衣装を探しに行ってきた。結局オフハウスで2100円にてキモノ購入。さてこれで演奏出来るのか?結構暑いかもしれない。ちなみにネクタイは昨日購入したヤツ。恐ろしきかな、我が色彩感覚!

・秋は夜に

秋は夜に成長している
静かに深く、だけど確実に
静寂のようにはらはらと落ちながら積もり続ける
美しい終焉だけが春には新鮮を
本当に芽吹かせるというのだろうか

僕は夜に年老いていく
半分の高揚を引きずりながら
不格好な眠りに揺られ
シワの溝を深めていく
みぞおちの奥で鈍痛のような君が
深い眠りを腐らせている

無へのカウントダウンとしての冷気
アスファルトに居座る水たまり
沈む前にウインクだけ置いていった細い月
描写としての煩悩
期待する前に踏みつぶしてしまった至近距離の肌

秋は助走をつけながら落ちていく
そのスキップが僕のメロディーになる
秋は夜に、 僕は夜に

9/27

・期待させてすまないが今夜は練習なのです。(え?なんの期待もしてない?)

・↑コレが欲しいんである。いや、結構前からね。かなり古い電気グルーブだかのPVで見かけてから欲しかったんである。もちろん所有する訳だからといって使用する予定もないのは言うまでもないが。お部屋のインテリアにいいなと思ってね。(!)ドンキで売っているという情報を最近入手してソワソワしていたんである。今日ついに発見したのである。前はアダルティーなコーナーが普通に二階売り場に混在していたのになくなっていて焦ったのである。店員には聞き難いので小一時間も彷徨ったのである。あの商品のジャングルの中、どこかにシャングリラへの抜け道があるはずだと重たい身体で彷徨ったのである。諦めて帰ろうとネクタイと座布団を精算した。その時「!」もしやと思い普段行かない奥の方へ。するとドンキエンターテイメント館とかがあったのである。本とかCDとかがある。奥には何やら物々しいデカイ18禁ののれんに隔てられた一角が。もしかして今まで知らなかっただけなのか?まあ、安心したので胸を張ってのれんをくぐったのである。ドンキらしからぬ整然とした売り場である。そしてお目当てのブツはアダルティーグッズ売り場の棚の一番上に恥ずかしそうに鎮座していたのである。おお君こそ我が麗しの君と駆け寄って抱きしめて(しめないしめない!)正札を眺める。なに?¥26250?正札なのか娼婦ダなのか、貴様舐めとんのカー!と。今月は待っておこう。ちと厳しいかもしれん。まあ、来月か、少なくともボーナスが出たら君を迎えに来るからね、と暫しのお別れ。待て、カードという手もあるか。いや無理すれば買えるんだが。まあ、そのうちの衝動まで。月の魔法が聞こえるまで。家に帰る車の中で椅子の用途について妄想したのである。そうだ、路上でヤツに座って歌ったらスゲーかもしれんとか。インパクトはあるはずである。いつかホントにやりそうで怖いのである。ワーイ!

9/26

・昨日眺めた柿が少し色づいていた。雨水が地面に染み込むように、ジンワリと季節は深まっている。毎日変化し続ける君のように、驚きとため息と暗号に満ちている。時間切れじゃ。

・詩人を背負って生きる。それは苦しみであり、悦びでもあり。切なさをネタにして、酔ってみたり笑ってみたりね。

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・出口のない愛してるが僕の中で迷子になっている。僕の愛してるは君を知らない。口ごもらずにささやける朝が恋しい。そんなセンチな朝を楽しもうか。

9/25

・落ちるように眠りにつく幸せは、落ちるように恋に溺れるよりも少しだけ柔らかだ。身体中が君よりも夜と枕に溶けたがっている。溜まった乳酸を処理しようと肝臓君が頑張っているのかな。ゴメンね、350のビールは大目に見てください。明日の朝には軽やかな肉体に戻してくださいね。もう今夜は無茶しないからさ。

・自分的には壮絶な仕事の合間に一服つけながら、ほんの少しぼんやりする。まだ青みが残る柿の実が目に入る。熟す前にカラスとかに突かれてしまうんだろうなってね。人の手の入らない世界で果実がきれいなままで熟すって確率はかなり低いんだろうね。でもそれは自然なことで、人間もそうなんじゃないかなんて、ぼんやりしながら思ったんだ。スネに傷があるからこそ魅力的でね。別に隠さなくてもいいってね。別に波瀾万丈じゃなくてもさ。傷だらけの平々凡々なんだよね、みんな。まあ、僕みたいに見せびらかすのもアレなんだがね。

・数日前の孤独感は薄らいだ。現実とは感覚の海に浮かんだイカダなのかもしれない。事実を積み上げたところで、浮かんでいるだけなのは変えられないね。

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・愛するフリは出来ても、恋するフリは出来ない。

9/23

・臆病な平凡達が精一杯の綺麗事に忍ばせた願望は、あまりにもわかりやすくて、誰にも気付いてはもらえない。むしろ黙り込んだ方が伝わるのに。空間を伝わる波動を信じ切れない夢想家が世界には溢れ過ぎている。人類が愚か者の集まりであることは周知の秘実さ。

・不惑(清書した)

予感だけが僕を潤ます
普段とは違う何かが今、僕の内部で出口を探している
僕は見届けたくて、まだ次の呼吸を受け入れている
流れとは遠く離れたよどみに浮かぶ木の葉のように
早過ぎる世界を茶番のように眺めている

詩情に逃げ込むのは敗退なのかもしれない
難解に紛れるのは敗走なのかもしれない
敗れ去りながら、哀れと無様に紛れながら
君という予感だけにすがりついている

月の魔法に守られなくても
僕はたったひとつに辿り着いてみせてやろう
儚さと永遠を共存させてやるよ、いつか必ずね
そのとき僕はようやく詩人を封印できる
そして僕の断片は君の中で新鮮を生み続ける
さあ、今という神聖を羅列しながら汚れていこうか

予感のような余韻に酔い
余韻のような真空に迷い込もうよ

・予感だけが僕を潤ます。普段とは違う何かが僕の内部で出口を探している。僕は見届けたくて、まだ次の呼吸を受け入れている。流れとは遠く離れたよどみに浮かぶ木の葉のように、早過ぎる世界を茶番のように眺める。詩情に逃げ込むのは敗退なのかもしれない。難解に紛れるのは敗走なのかもしれない。敗れ去りながら、哀れと無様に紛れながら、君という予感だけにすがりつく。月の魔法に守られなくても、僕はたったひとつに辿り着いてみせてやろう。儚さと永遠を共存させてやるよ。必ずね。そのとき僕は詩人を封印するだろう。そして僕の断片は君の中で新鮮を生み続ける。羅列しながら汚れていこうか。

・ひとつひとつ積み上げるしかないんだな。よね?

9/22

・どうして終わりがないかというと、満足には程遠いヘタレ語しか書けないからで。もっと、小股の切れ上がったゴキゲンが書きたいのだが。しかし小股ってどこよ?

・もう使われていない番号を呼び出しては、ひとしきりアンニュイに耽る。引力のベクトルは向き合いながら釣り合う共作なんだ。引力しましょ?

・想えば叶うなんて、信じない。想えば伝わるって信じてる。証明なんていらない。多分伝わるんだよ。

・歌い出したい衝動はまだ生きていますか?伝えたいことの1%さえ、まだ吐き出してはいないんですよね。若さと弱さは共存するんです。気ままに見える向こう側が楽しくないことぐらい感じますよ。でもね、黙って見つめるだけでもいいです。吸い取り紙みたいに余計なものを引き受けますから。

・優しい秘密を1g。小さな嘘を1ml。右往左往しながら秋は深度を増していく。色付く前に落ちてしまわぬように、ダイジに、だいじニ運ぶ僕の呪文。薄着のままで感じたい。服を剥ぎながら、肌も脱いでしまう僕らの。些細な謎を小さじ半分。柔らかな闇は隠し味程度に。

9/21

・未来の鍵を探し歩いて絶望だけを拾って帰る。悲鳴にしか聞こえない歌声でも、出し切ってしまえば有り触れたよくある話の仲間入りもできるさ。小出しにしたって底は浅い。思うことが全て可能かといえば、月の裏側でウサギが笑っちまう。こころにもないことも言えなくはない。言えなくはないがテクマクマヤコン。

・爽やかさとか清潔感とかを着こなすペテン師にはなれない。なりたくもない。強過ぎる個性とか、屈折した求愛しかできないところとかはどうにかしたいんだが。まあ、出来ない相談ではある。

・風の噂はろくでもないモノしか運んで来やしない。

・孤独が嫌いだから僕は僕と向き合う。どうしようもない空虚が怖いから僕は僕を見つめる。どうせなら君を見つめたい。新しくて古い僕の中の君を。

・どんな風に踊ればいい?このネットってヤツは都合のいいフィルターになってしまうから、どんなに汚く生きていようと緩やかなダンスに見えてしまう。どんな風に踊れば、生身の僕を感じてもらえるのだろうね。

9/20

・こころは波動である。

・練習なんだよ。そんな時に限ってはらわたにプツプツと渦巻くんだよ。でも時間切れだよ。

9/19

・理解者が欲しいのか、理解者でいたいのか。

・散歩の途中で見つけた青春の一コマ。高校生風な年齢の男子と女子。彼女は自分の家の玄関のドアの前の壁にもたれて、彼は5m程距離を置いた敷地の前の道路脇で自転車に股がったまま。何か聞き取れない小さな話し声。それは恋の初めなのか終わりなのか。その中間ではないことは確かだった。微妙な空気を僕は感じ取って、気にも留めないフリをして空気を読まずにマーキングをしたがるバカ犬を引きずって先を急ぐ。興味と欲望が繰り広げるイタイケなゲームとしての純情が上手くいけばいいねと夜風に話しかけた。空には淡い瞬きが静かに秋の気配を物語っていた。

・24時間以内に手に入れられる夢はなんだろう。今夜中に辿り着ける楽園はどこだろう。張りつめた肉欲と枯れ果てた羨望が僕の中で同居している。

・最期の微睡みへと

詩情がまたひとつ落ちてきて
終わらない夢のつづきは最終回を免れた
数秒で見抜いた君の半生を
後どれくらいで僕は聞き終わるのだろう

物語は始発と最終の間の
ストップモーションの残像なんだ
点と点を結べば未来は卍固めに悶えることになるんだ

今夜もまた虫達のラブソングが五月蝿くて
僕の口笛は君に届きそうにない
戻りたいのはあの殻の内側じゃない
未知の中にある郷愁に似たサムシング

粉々になった煌めきの降り注ぐ
最期の微睡みへと

詩情がまたひとつ僕に落ちてきて

9/18

・唯物論者と夜の月。まだ食らいつく秋の蚊と迷える気配。血が欲しいならくれてやろう。でも想いは売り切れさ。悪い、他を当たってくれ。ピークを越えたら優しくぼやける疲労感。こんな風に誰にも求められず、静かに消えていけたら幸せだろう。焦燥感は先を急ぐ生命の力で、うっ、内部でうごめく知らない影。乗っ取るつもりならおあいにく様。へなへなに見えて、これで結構粘り強いんだよ。よく似ていても、決定的に根元が違うのさ。さっきからしぶとい蚊だ。あ〜痒い。殺意は今、我にあり。かいーの。

・存在証明としてより一陣の風として

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・知ってか知らずか驚いたように凝視した君の目が、僕の足をよろめかす。決定事項は変更なし。任務は粛々と遂行されるべし。ハイテンションは急降下するってのは大方が認める定説だが、さて、落ちてきた。

・理性は本能を飼いならせない。飼いならしたと錯覚させるだけさ。

・ 嘘を嫌がるクノイチ族。だけど矛盾に満ちたまま居直った果ての 厚顔無恥なわがまま達が、君という雌の中に集約されているとさえ思える。 (ストックより蔵出し)

・時間がないんだから、こんな時こそ気の利いた短い言葉でね。ドーンと存在感をアピールしたいところですが...。脳味噌には、脳味噌にこそウォームアップが必要みたいでね。全然ダメですね。疲労困ぱいの中、浮ついたテンションが危なっかしくゆらゆら。

・肉体はヘロヘロです。が!どうにかやってくれたようです。今期初の連勝!12位浮上です。僕もお仕事頑張りました。

9/17

・愛してるが、とてもとても遠くに感じる。

・腰が痛い。

・詩情が目覚める暇もない。

9/16

・食後の短い自由時間は携帯のベルで断ち切られた。忘れた頃に掛けてくる。昔のバンド仲間の彼だった。嫌な予感はしたが出た。ベースが練習に来れないのでベースもって遊びに来いと宣う彼。昨日も練習で明日も別のバンドでスタジオに入るのに、それじゃ三連チャンなのだが、行ってきた。意味不明な軽口を叩きながら、知らないに等しい曲を三曲ほど遊んで帰ってきたが...。ズルズルと引きずり込まれる危険をヒシヒシと察知する。いや、もう無理だから。

9/14

・久々のの嵐

・儀式の後

感情をなくした営みが萎縮したベッドの上
味気ない儀式の後でささやく愛は遠く
同じ時間に共存した記憶をすり抜けたのは
願望でも憧憬でもなく奇妙な
とても奇妙な平安だった

もう物語の続編は書けない
堕落したヒロインは
わずかなアディショナルタイムを
卑猥な泪で汚してしまった

マンダラのようなジオラマを
小振りなシャングリラにすり替えたら
サンタナの涙で叫ぶ哀愁達が
ジャンクの海の宝石みたいに溺れていく
意味と無意味の隙間の皮膜は
もろくて淡いだけの
網膜の下の疼きでしかなかった

耽美と抽象
イメージと写実
センチメンタルを窒息させて
僕達の今日は生き延びてきたのさ

9/13

・午前二時、ドラマ仕立ての夢。昨日は会社で酷く肩が痛くてさ。うん、ご想像通りの痛みさ、疼きに近いヤツね。それで終日気分が悪かった。時々あるんだけどね。地縛的なヤツじゃあなくて、彷徨い込んできたヤツね。騒ぎ立てると波動が強くなっちゃうんだけどさ。理解してくれそうな人には話しちゃうんだな。「今、トイレの前に居やがるよ。」とか。こんなお天気だしね。話も聞いてあげられないし、もちろん救ってもあげられないから、寄り付かないで欲しいんだが。すごく身体が重いのは、その影響もある。連れてきちゃったのかな。自分で悟って昇るしかないんだ。結局のところさ。誰かにまとわりついても解決にはなり得ない。塩でも盛れば怒り出すだろうから、ああ、重い。僕が呼んじゃうって?まあ、否定はしないけど。君には話しかけちゃいないよ。お帰りよ。

9/12

・22:13 の横顔

実体を持たぬ想いが怨念のように忍び寄る
欲することが至上の愛だと

狂気は自覚し得ない
それゆえ世界の真理はここにあると
血走った目で己が拳に呪いを掛ける

小振りな英雄は実は世界に溢れていて
不幸なことに他者が眺めれば
安っぽい喜劇でしかない舞台を
渾身の大根で演じ切っている

自らを見抜けぬ者に
未来はいつも薄暗い

さあ今宵も素敵なショーの始まりだ
断腸の悲恋を演じるのは君であり僕であり

楽屋落ちのジョークが
都落ちのフェイクに成り上がったら
予定調和の賛美で舐め合おうじゃないか
へつら笑いとあくびの区別くらいまだつくだろう?

・何もしない贅沢を満喫出来ない貧乏性。

・もう眠いのは秘密にしておこう。

9/11

・締めの言葉を追加する&校正する予定なんだが、もう眠いので今夜はお休みなさい。

・味スタの迷子


自覚のない陶酔と喧噪と粘り着く透明。距離感が計れない中途半端なハッピーエンド。艶かしい夜の闇にぼんやりと浮かぶ味の素スタジアム。さっき入場してきたゲートはなぜか閉じられていて、見分けのつき難い青赤のユニフォームの緩やかな流れに身を任せる僕がいた。
すぐに出くわした階段を迷わず選択した視線が、絶望の叫び声で少しだけ振動した。声の主は3〜4才の男の子だった。彼の前方には連れとおぼしき悪ガキ数名と母親らしき小太りのFCユニ。大人が感じる安全圏と小さな視点の受け取る絶望との隙間を、だけど僕は見過ごすことが出来ずにいた。兄達が面白がって置き去りにした小さな悲劇を煽っている。「ほらほら〜、行っちゃうぞ〜w」恐怖と焦りで、ただでさえ危なっかしい足取りが、階段の途中でふらついてしまう。僕は思わず彼の手を握ってしまった。「大丈夫、絶対大丈夫だから。ほら、ゆっくりとだよ。ゆっくりね。転ぶと危ないからね。」言ってるそばから階段を踏み外す彼。しっかり手を握る僕。叫びながら、泣きながら、今度は注意深く一歩一歩階段を僕らはいっしょに下っていった。ロイヤルホストの横の小さな広場。階段を精一杯の勇気と冷静で克服した僕らは「あら、すいません。」と面倒臭そうに首だけこっちを向いて挨拶をする肉片に引き裂かれた。握った手をためらいもなく振りほどいた泣き虫は、吸い付くように肉片にへばりついた。余計なことをしてしまったかなと、今の自分を振り返る僕。不安でも泣けなかった子供の頃の記憶。そこそこは嬉しいのに、満足とは程遠いこの感覚。泣いてしまえれば誰かが助けてくれる。歯を食いしばってしまった分だけ残ってしまった抜け道のない遊離感。沢山のささやき合う気配の中でゆっくりと浮き上がる、いつもの孤独。
応援バスの集合時間にはまだ少し間がある。だけど、さてここは...。数秒の思いの走馬灯がもともと貧困な野生の持つ方位磁針を狂わせてしまった。人の流れに沿って歩くが、ここの位置がわからない。確かスタジアムのものすごい近くの駐車スペースにバスは停まっているはずだった。迷いようがないとはずだった。蒸し暑さ以上の汗が体全体から溢れ出してきた。出入りの自動車を誘導する警備員に声を掛けた。言い方が悪かったのか、全然逆の方角を指示されてしまった。少し焦りながら歩調ははやまる。でも、スタジアムは遠のいていく。おかしいと立ち止まり、腕時計を眺める僕。集合時間までもう数分しか残っていない。少し遅れることは確実だ。非常連絡用の携帯に電話しなければと思っていると、ぶら下げたカバンの中の着信音が僕を脅迫するように鳴り響いた。
冷や汗と脂汗の競演の中、10分遅れでバスに辿り着く。勝ち試合だったからよかったものの、バツが悪いを通り越したマチハズレってな気分で帰路についた。
ぼんやりとこの物足りなさと浮遊感を考察してしまう僕がいた。僕は観戦したいんじゃなく共有したいんじゃないかと思った。孤独には慣れっこになっている。行動はいつもひとりだ。映画も海もサッカーもプールも。気を使うよりはひとりの方がいい。予定は未定で思う存分彷徨える。時に酔い、時に妄想に逃げ込んでは孤独を逆手に取った気でいた。だけどいつも共有したがっていたんだ。君っていう二人称祭り上げて、語りかけることで危ういバランスをとっていた。行き先も戻るべき場所も持たない。僕はあの日の迷子のままだった。

・ネタ仕込み中。

・そうか、今日はあの日だった。5年で何が変わっただろう。悲劇は増幅しながら拡散し続けている。無知でいることは、無関心でいることは、共犯と同じだ。情状酌量ばかりで、執行猶予ばかりで、ひとりよがりの小さな幸せを囲い込んでいるってことは、善良な僕らの重ねてしまう罪深い性癖だ。もちろん、自分も断罪してみるさ。か弱い断罪だけどね。

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・ねるお

9/10

・気分爽快なれど、まだお散歩とお風呂が待っている。あ、スパサカも。

9/9

・ミストーンが紡ぎ出す瞬間の真実。脱線した未来を遠く眺めるより、眠たい今を足踏みして噛み締める。終焉にまで格好つけてしまう僕らは、押し殺した無様な内心を引きずって痛めつけてしまう。経験から導かれた恐怖と放心。脳味噌以前が拒絶する刃傷沙汰。膨らんで増殖して妄想まで絡めて、深く深く染み込んでしまう鈍痛の震源。見抜けたからといってなんになる。見抜くって力じゃない。アンテナなんだ。霊感に近い重さだね。全身重くてさ。息をするのも辛いくらいになっちまうんだ。チューニングを外せば感じなくなるんだけどね。それは心には、感受性には敗北と同じなんだよ。コントロールは難しい。自らに掛けた呪いは誰にも消せはしない。自分以外の誰にも。見失えばなおさら。見間違えば金輪際。酔ってれば痛みは分散するけど。さて、出掛けよっと。

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・いや、そうじゃなくてさ。今年還暦には見えない有名人ランキングってのを眺めててさ。ホセ・カレーラスって名前がさ。ホモ・カレーライスって読めてさ。そんな名前のヤツいるかってさ。突っ込み入れちゃってさ。よくよく見るとホセなんだよ。もうオイラ終わりかもしれん。

・子供とは走り回り、叫び、何でも欲しがり、無条件で守られると思う生物。子供が少しだけすましてみせているのが大人。愛情が足りないって?冗談じゃない。愛情過多だから地球は回るんだ。なんか暑い。気のせいじゃないよね。

・味スタ参戦。勝ち点頂戴よ。

9/8

・汚い言葉なんて書きたくない。無難な言葉なんて書きたくはない。「君」を自由に使いたい。めくるめく妄想の中のシュールで踊りたい。

・アクセス解析ってさ。眺めると最近ゲッソリするんだ。もうここは解放の場じゃないのかもしれない。

・運命のせいにしない。

9/7

・ブルースを吐き出せ。

・違和感の意味がやっとわかった。僕はかつて気配さえ隠したストーカーだった。もしかしたら今もそういう傾向は残っているかもしれない。いや確かに残っている。執念深いサソリの星の下に生まれたという現実は変えられない。証拠も残さず見つめ続けるって、自分でも美しいとは思えない。視線ってのはかなりの力を持っている。気配が消えるはずはない。いまだに受け入れきれずにいる自分の弱点に似た事象を目の当たりにすると、理屈以前の精神作用が働くのだ。

・久しぶりの長文は疲れる。

・占い師の嘘

深く刻み込まれた左の小指の下の皺。二本の溝が交差して僕の未来を羽交い締めにしている。
「お金には縁がないね。仕事は、まあ、晩成型だね。」「恋愛は?結婚はどう?」「...うん、安定しているよ」
占い師は有り触れた僕の未来を予言してみせた。平凡も悪くない。少なくともちっぽけな愛情は手に入るんだろう。そんな言い訳のようなため息を僕はついていた。彼は実に巧妙に僕の絶望に似た未来を隠してみせた。多分それ以外には術はなかったのだろう。

彼は同期で入社した友人だった。大阪弁が豪快でいつも人生を楽しんでいるように見えた。車に夢中でジムカーナでタイヤが半年しか保たないと笑っていた。人なつこくていいヤツだった。
ある時、何かの拍子に彼が占いが得意だということが判明した。飲み会だったかなんだったか、今では記憶も定かではない。皆、こぞって彼に掌を差し出した。群がる夢想家達の後ろで僕は、バツが悪そうに興味がないとでも言いたげな下手糞な芝居を打ちながら、嵐が去るのを待っていた。興味本位の楽天家達は一夜の宴の肴としてだけの愛情でいつしかチリジリに居心地のいい場所に戻っていった。僕は何気ないフリで彼にすり寄っては遠慮がちに掌を差し出した。嫌な顔ひとつせずに眺める彼の視線を凝視してしまうのは、まだ若造だった僕には仕方ないことだった。
「お金には縁がないね。仕事は、まあ、晩成型だね。」そんなことはこの期に及んであまり重要ではないと相場は決まってる。「恋愛は?結婚はどう?」最大の感心事なのに声は少しか細くなってしまう。「...うん、...安定しているよ...。」甘ったるい物語の結末ばかり気になった僕には、もしかしたら言い淀んでいたのかもしれない彼の仕草や視線や言葉の端っこを、観察出来るほどの冷静はなかった。今まで、あれほど愛されたくて、でも愛される自分をイメージ出来なかった僕にも平凡はやってくるんだと。安心したような、物足りないような。安定した静かな愛か。いつかは巡り合えるんだという未来からの偽りのラブレターを真に受けてしまったのだろう。安心してしまった僕に彼はポツリと呟いた。「でもさ、俺って生命線短いんだよね。」彼は寂しそうに笑っていた。でもそんな呟きは平凡な明日に酔っていた僕の意識から呆気なく消えていってしまった。
もともと正直に想いを伝えるなんてことが苦手だった僕は、玉砕覚悟の恋から逃げ回ってしまう傾向を増していった。大丈夫、まだ巡り合っていないだけさってね。待っていれば、いつか必ず現れて、自然とそういう流れになる。運命に逆らって痛いおもいなんて、もうしなくていいとね。
歳月は冷淡に過ぎていく。僕の中の半分のケダモノはいつなのかわからない未来を待ち焦がれ、そして疲れていった。狂おしい欲望を投げ込む場所は近寄りがたいネオンの隅に確かに存在はしていた。でもそれは汚れにいくみたいで、その頃の僕には全くといって異次元の世界だった。堕落に思えた。上手に遊ぶという感覚が僕には存在しない。そいつは安定した関係が存在して、はじめて生まれる余裕なのだろう。どこで探していいのか、まだ見ぬ君は一体どこにいるのか。訳もなく夜を彷徨う。妖しい夜の片隅には雌達が美と軽やかな薫りを放ちながら存在していた。見つめるだけのその世界に、でも僕は立つことが出来なかった。だって僕には何も、ホントに何もなかったのだから。
でもやがて無意識の海の中に彼のことも占いのことも沈んでいった。

悶々とした青春を過ごしていたある時、風の噂で彼が白血病で亡くなったと知った。僕は驚いたけれど、「!」と思ったんだ。そうか、自らの未来も言い当てるくらい彼は本物の占い師だったんだなってね。あり得ない未来は多分存在するって僕はまた確信してしまった。


激情を持て余していた僕があんな世界に溺れたのは必然だった。あんな汚れた世界でさえ僕は、あり得ない愛情を求めていた。こころが触れ合うことも少しはあった。肌が触れ合うことも少しはあった。でもそれは不自然な夜にしか生きられない神秘に似た淫靡でしかなかった。

別に疑った訳じゃない。だけどあまりにもゆっくりな運命の流れにいらついていたのは確かだった。未来の証拠が欲しくて、我知らずウェブの網の目を徘徊した。運命、手相、占い。そんなキーワードだったのか、検索エンジンが導くままに丁寧に手相について解説してあるページに辿り着いた。生命線も才能も、もうどうでもよかった。ただ愛に、平凡に辿り着けるという証が欲しかった。ディスプレーを凝視する僕の目は日本語とわかりやすく簡略化された手相の図を、だけど理解出来ずに凍り付いた。どう見たってこの線は...。深く刻み込まれた左の小指の下の皺。に本の溝が交差して僕の未来を羽交い締めにしていた。正常な婚姻関係は望めないとか内縁的な関係を引きずるとか。こいつは一体...。何度も眺めてきたこの掌は僕を騙し続けていたっていうのか。彼は僕に嘘をついたのか。なぜ?なぜ真実を...。

手遅れを目の前にして僕はいつしか薄笑いを浮かべていた。僕はまんまと一杯食わされていたんだ。占い師は時に鮮やかな嘘もつく。自らの命をダシにして絶望を先送りにしてくれた彼を僕はこれっぽっちも恨んじゃいない。何もない未来を受け入れるのには大層な準備が必要だったんだね。無駄に思える歳月と幾重にも絡まった物語達を見つめ、共演さえしてきたという事実が僕にもたらしたある種の漂泊感。そいつはかけがえのない宝物として今僕の一部になっている。僕を歌わせ、書かせ、狂わせる悲しみさえ含んだ輝き、この奇妙な魂のまさに核心部分としての。欲しいからこそ種をばら蒔くのだと、捨て去ることは喪失とは違うのだと、僕に知らしめた数多の魂達に。

だけど悪あがきは続けるよ。大いなる流れは確かに僕を包んでいると感じるけれどね。無駄な抵抗だから止められないんだよね。生きることは...、生きるってことは、だけど精一杯の僕の今のラブソングなんだから。

9/6

・疼いた不埒が指先で零れ出すから、刺すような視線がこの胸ぐらをまさぐるから。真剣を振り回せば命さえ危うい。欠落を埋めるのに真空は役に立たない。エロスは融合ではなく臨界なのだろう。雄は向こう側を求め、雌はギリギリに悶える。

・はい。

・男か女かというメンタリティーには反吐が出る。一生脱げない強固なハリボテの中にひとつの命が産み落とされたという事実があるだけさ。彼は不幸だろうか。祝福に値するだろうか。結局不幸でもあり幸福でもあり、命には無条件に祝福される権利がちょっとはあるってこと。それとこれとは別の問題として、雄か雌かと騒ぐメンタリティーには反吐が出る。

^^^

・雄は弱さを隠し、雌は狡さを本能だと言い張る。謎めいた寡黙と錯乱した雄弁と。妥協の接点に僕らは幻想を飾る。

・夏を流し去るように雨が降る。微塵も残さずに、遠いとても遠い海へと。

・真空を少し抜けたところに僕のこころは眠っている。妖艶とか豊潤とかはあまり好きじゃない。もがいても声も届かない場所なのに、エーテルの海を思惑だけが伝わってくる。感じるということは、多分こちらからも伝わっているということなのだろう。感受性とか価値観とかは様々に独立していて、個々に優劣はない。そこはそれぞれが所有している僅かばかりの自由。だけどコミュニケーションというすり合わせの作業の中では創造よりも、むしろ想像する力が必要になってくる。謙遜なのか好意なのか、違和感なのか嫌悪なのか。それを持たない人は小さな自由の中で眠る方がいい。それが無難な生き方であり死に方なのだから。僕の言葉はだけど強い。簡単に柔らかい場所に届いてしまう。それが罪ならば、僕は言葉を封印しなければならない。汚い言葉の波紋は360°にまんべんなく拡散してしまう。綺麗事が悪い訳ではない。綺麗事にまぶすから汚くなる。優しさはもう投げない。こころが宿ってこそ優しさなのだ。こころを込めることはもうない。

^^^

・軽やかにスルーしる。

9/5

・ご機嫌斜め。

・諦めた夏。彷徨う魂。こんな残暑ほど往生際の悪いのには閉口してしまう僕がいて。触れるな。二度と触れるな!

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・重力が増えた?と錯覚するような肉体の重さ。疲れ以外にも身に覚え...アリ。

9/4

・やっぱ、無理矢理夜中の二時に起きて負け試合を見ると次の日疲れるね。

・魔法ならひとりで足りる。でもファンタジーはひとりじゃ出来ない。

9/3

・驚愕の事実が! 無人月探査機「スマート1」が月面に衝突していた模様。僕が行った月のホテルは大丈夫だろうか?

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・今夜の月は少しだけ妖しい気がした。少しだけ君の薫りがした。宙ぶらりんな僕は君の神秘をもう見つけられない。ただ流れるように夜を彷徨うだけさ。沢山の小さな種が眠ったまま腐っていく。湿り気だけでは足りなかったのだろう。

・波動を感じるということ。思念を嗅ぎ分けるということ。エンドマークを見極めるということ。暴走すれば想いも凶器になる。

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・リハビリなんて一晩で済んじゃうんだな、これが。

・やっぱあれだね。リリックを読み返すと面白い。僕の脳味噌は僕にとって一番興味深い謎なのかもしれない。

・朝には別の神秘がいる。同じ魔物の表と裏なのか。朝にもやっぱり神秘が住んでいる。

・万人受けする及第点の茶番なんて、雑音にしかならない。まだ生き延びていた蝉が最期の力で愛してくれって叫んでいる。沢山の遺伝子が引き継がれることもなく息絶えていく。自然淘汰の中の不自然な摂理が、耳鳴りのように鼓膜の奥の神経を刺激している。

・朝がまだやわらかいうちに、朝がまだノイズにまみれてしまわぬうちに。

9/2

・夢の本体は意外と短い。

・量じゃなくて密度だね。ズシリと重くするには、ゼロになるまで削ることが必要なのね。ないのとないに等しいの違いかな。まあ、同じかもしれんけど。ねみ〜よ。一緒にねる?

・急に暗転したみたいに季節がすり替わったみたいだね。哀愁を噛み締める暇もない。諦めが速い方が幸せになれるってさ。まあ、みんな幸せじゃないって言い張るんだろうから、諦めも悪いんだろうけど。

・触れてしまえば死んでしまうんだよ。手に入ったとたんに普通のケダモノと同じになる。知らなかった嫌いな癖とか、だらしないところとかも見えてきてしまう。醒めない夢は現世では生きられない。終わらない夏を欲しがるみたいなもんさ。

9/1

・今夜は練習。

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