伊那市高遠町 高遠城址 公園内        河東碧梧桐 西駒は斑雪てし尾を肌ぬぐ雲を                   S.9.10.    句  広瀬奇壁  斑雪高嶺朝光鴬鳴いて居 (奇壁は本名 省三郎)                   句 伊那市高遠町 高遠城址 公園内         荻原井泉水 花を花に来て花の中に坐り                     S.35.4.6   句 伊那市高遠町 高遠城址 公園内         松井芒人  仙丈の高根をいでて冬の日は天つみ空にかがやきにけり        S.32.6.1   歌 伊那市高遠町 高遠城址 坂の上         松井芒人  登りきて振り返り見る坂の上国美しき四季の移ろひ 伊那市高遠町本町 南アルプス信用金庫前              窪田空穂  高遠の町のゆかしも逢はましと思へる友の多くすめるに 伊那市高遠町 白山橋の欄干  窪田空穂  山峡はここに極まる兜山三峰川をまへに城は立ちけむ 伊那市高遠町西高遠本町 黒河内太郎氏宅庭内  若山牧水  それ程にうまきかとひとの問ひたらばなにと答へむこの酒のあぢ 伊那市高遠町霜町 八十二銀行前  小宮豊隆  遠ざかる高遠囃子花吹雪 伊那市高遠町長藤的場105 蓮華寺境内     今井邦子  向う谷に陽かけるはやし此山に絵島は生きのこゝろ堪へにし      S.15.7.16   歌 伊那市高遠町東高遠 文学の森  今井邦子  この谷のわか葉をぬきてたけ高き朴の木の花大きく咲けり 伊那市高遠町東高遠 文学の森  円地文子  一本の花にひかれてきりわたる山のそわ道たどり来にけり 伊那市高遠町東高遠 文学の森  吉屋信子  歌碑もあり桜もありて繪島忌や 伊那市高遠町東高遠 文学の森  若山喜志子 さくらはな咲く日となればうぐひすは啼くもなかぬもかくらひにける 伊那市高遠町東高遠 殿坂小公園内  徳川夢声  山茶花の雨となりたる別れかな 伊那市高遠町東高遠2330 樹林寺境内  河東碧梧桐 今年植えし若木の桜一葉を残す 伊那市高遠町花畑「絵島囲い屋敷」近く 町立歴史博物館入口  木俣 修  いにしへの流人の悲話を思ふ眼に時雨過ぎゆく高遠の山 伊那市高遠町花畑「絵島囲い屋敷」近く「ホテル絵島」入口  中村琢二  伊那谷に来にける夜更け山の端の一ところ赤し月出づるらし 伊那市高遠町花畑「絵島囲い屋敷」前  有島生馬  物語まぼろしとなりしわが絵島墓よやかたよ今うつつなり 伊那市高遠町花畑「絵島囲い屋敷」近く 町立歴史博物館前庭  太田水穂  花ぐもりいさゝか風のある日なりひる野火もゆる高遠の山   伊那市高遠町上山田2432 酒造「仙醸」庭内    田山花袋  たかとほは山裾のまち古きまちゆきかふ子等のうつくしき町      S.38. 秋   歌 伊那市高遠町本町  島村利正  (表)「城址のある町」 (裏)「庭の千草」 伊那市高遠町勝間西和手 勝間薬師堂  種田山頭火 太鼓たたいてさくらちるばかり  伊那市高遠町西高遠 鉾持桟道西「ホテル仁科」入口  相馬御風  たへまなく鳴くは鶯高遠のやど屋のあさのねざめすがしも      伊那市高遠町西高橋 鉾持桟道          巖谷小波  桟道や炭負ふ馬の数珠繋 伊那市高遠町 JRバス停前  北原白秋  伊那は夕焼け高遠は小焼 明日は日和か繭売ろか 伊那市高遠町 JRバス停前 小公園内  大仏次郎  「手紙の女」 伊那市高遠町 遠照寺境内  正木不如丘 燕徂き雁帰り来る生死無限 伊那市西町 春日城址  佐伯孝夫  「勘太郎月夜唄」 伊那市山寺上村2174 伊那北高校 校門前  臼井吉見  伊那の谷すでに日暮れて仙丈は明るきまゝに雪映えにけり       S.53.10.   歌 伊那市長谷村溝口883 長谷小学校 校庭       尾崎喜八  「少年よ少女に贈る言葉」 伊那市長谷黒河内 美和湖畔        新井 章  昨夜(きぞ)の雪雑木林に凍るまま晴れてさやけし伊那のふか谷 伊那市長谷村伊那里(市野瀬) 旧伊那里小学校跡  藤沢古実  孝行猿のうた(5首) 上伊那郡辰野町羽場 城址公園内(羽場神社境内)  松井芒人  天龍の流れゆくへは山低く国原遠し冬もかすめる 上伊那郡辰野町  辰野西中学校  天野貞祐  碑面不明 上伊那郡辰野町  川島小学校  釋 迢空  歌碑2基 上伊那郡蓑輪町 長田温泉の丘  藤沢古実  天の原山竝四方に聳えたる科野のくにゝ生れけるかも 上伊那郡蓑輪町三日町 藤沢古実墓域  藤沢古実  仙丈の山嶺を高み夕はやくかげる深谿にものゝ音なし 上伊那郡南箕輪村 大芝湖畔           角川源義  黒百合の… 上伊那郡宮田村4291 村営駒ケ原霊園 唐木順三墓域  唐木順三  碑面不明 飯田市大通1-15 飯田病院前           土田耕平  青山をゆたに遶らしみんなみに立つ白雲や遠江のそら         S.28.6.    歌 飯田市 大平峠  斎藤茂吉  雲さむき天のはたてにはつかなるもえき空ありその中の山  飯田市上飯田1025-1 山田淳氏宅庭内       臼田亜浪  鵙の子が育つにまかせ明暮を                    S.12.8.    句 飯田市高森町 山麓道路(もと滝の沢(飯田高原) ヘルスセンター近くにあったもの)  太田水穂  山あれは谷あり谷の清き瀬に青き鮎子をさ走らす国          S.53.9.    歌  四賀光子  遠山に朝日上れは草原はのこるくまなき光となりぬ                 歌   飯田市高森町 山麓道路  大井 廣  みんなみにひらけて春の山ひくゝ霞をひきぬけふもきのふも 飯田市松尾町 リンゴ並木通り  岸田国士  「飯田の町に寄す」 飯田市 風越山山頂               日夏耿之介 秋風や狗賓の山に骨を埋む 飯田市追手町2 日夏耿之介記念館庭内        日夏耿之介 水鷄ゆくや此日宋研の塵を洗ふ                   S.34.11.23  句 飯田市追手町2 日夏耿之介記念館庭内  日夏耿之介 秋風や狗賓の山に骨を埋む 飯田市松尾町 リンゴ並木通り           日夏耿之介 「呪文之周囲ノ終節」より             (陽月=陰暦10月) S.37. 陽月   詩 飯田市座光寺2638 元善光寺境内          日夏耿之介 花散る夕心経を誦して俟ち給へ                   S.35.5.    句 飯田市座光寺2638 元善光寺境内              日夏耿之介 魚一寸草三寸のかすみかな                     S.39.8.    句 飯田市高羽町 飯田東中学校 先哲の庭  日夏耿之介 天龍より風越に時雨るゝ狗賓かな 飯田市南原 文永寺境内  日夏耿之介 鍼砭をうなちにうては時雨けり 飯田市箕瀬 柏心寺境内  日夏耿之介 おぎろなきあめつちののり身にしめて夕日に霧ふしら菊の花 飯田市今宮町4-6207 今宮郊戸(こうど)八幡宮本殿前 富岡鉄斎   神宮の千代のさかえをまもれよとこの穉松をたてまつる也        碑陰不明    歌 飯田市今宮町4-5609 飯田市丸山公民館前      種田山頭火 山しづかなれば笠ぬいでゆく                    S.58.11.   句 飯田市千栄869 森脇嘉孝氏宅庭内(旧千榮簡易郵便局庭内)         種田山頭火 日暮れて耕す人の影濃し 飯田市川路4756 「天竜峡ホテル」前        白鳥省吾  天龍流れて稲穂は黄金繭はしろがねお国自慢の天龍峡         S.32.4.13   民 飯田市 天竜峡 姑射橋畔             長田幹彦  天龍下ればしぶきに濡れて咲いたさつきに咲いたさつきに虹の橋    (S.50.8.22)  民 飯田市桐林348 竜丘小学校(体育館横)      野口雨情  「伊那の龍丘」                          S.56.3.28   民 飯田市伊豆木 別曽峠               正宗得三郎 三歳越眺めうつせし赤石の山よ忘るなわれ去りぬとも 飯田市北方 佐倉神社(さくらさん)前 銅像下方    正岡子規   たえす人憩ふ夏野の石ひとつ                     (S.12.9.)   句 飯田市北方 伊藤氏宅庭内  日夏耿之介 水鶏ゆくや此日宋研の塵を洗ふ 飯田市鼎中平2009 飯田農協鼎支所敷地内     土田耕平  土田耕平終焉の地        (裏面)下伊那はわれに三度の古里ぞ山に雪ふるを見つつかなしむ 飯田市山本二ツ山 生家跡            竹村 浩  「人生」 飯田市上郷黒田812 北原嘉雄氏宅庭内(父号 痴山)  正岡子規  すて鍬に蟻はひ上る日永かな                    M.37.9.    句 飯田市  同     同  中里介山  伊那谷は星美しき端居かな 飯田市上飯田滝の沢  井伏鱒二  あれは誰の山だ どっしりとした あの山は 飯田市中村(伊賀良) 長清寺境内  小笠原長生 とほつおやのあとたづぬれば草も木もむかしをしのぶよすがなりけり 飯田市龍江 しゃくなげ寺 保寿寺境内 (山門内の右側建物と塀の間)  四賀光子  この僧や学あり信あり行持あり煩悩具して恥なきうたあり 飯田市南信濃村 和田町 龍淵寺境内  椋 鳩十  遠山郷は星の美しい里 河の美しい里 人の心の美しい里である 飯田市毛賀 緑ケ丘中学校  椋 鳩十  赤石の初雪そめて夕日かな 飯田市下瀬 大泉寺境内  斎藤茂吉  おのづからなりのまにまにとゞろきてくしき山みずやうまし山がわ