若山牧水・喜志子・旅人(4) 長野県松本市安曇 白骨「斎藤旅館」庭内     四方の峰曇りて薄く輝かぬ野なかの樺に百舌鳥のいてなく    みいのちのいまだ盛りてこの山の秋を惜しみつつありし人をや(喜志子)  同  同 同  同   同   庭内   秋山に立つむらさきぞなつかしは炭焼くけむりむかつ峰にみゆ  同 岡谷市湊4-15-22 小坂観音院境内     佛法僧佛法僧となく鳥の声をまねつつ飲める酒かも              S.63.文化の日  同 塩尻市広丘原新田 歌碑公園内         うす紅に葉はいち早く萌えいでゝ咲かむとすなり山ざくら花          S.52.9.17  同  同  同     同          春鳥のいかるかの声うらかなし芽ふきけふらふ木立の中に(喜志子)(光 みどり歌併刻) S.50.6.22  同  同 広丘吉田 第二公民館前           新しきいのち育くむと雀らはちる花ひらもくひもちはこぶ(喜志子)       S.45.3.8  同  同  同  2121-1 生家(太田清宅)前      立ち残るこの一もとの老松に何ぞ今年はなごりのをしき(喜志子)  同  同 広丘 塩原常雄墓前 去年の春共にあひ見て語りしを昨日と思ふにはや君は亡し   老いぬれば残るいのちはいよいよに惜しまむものと語り合ひしを(共に喜志子)  同  同 洗馬 小曽部 興龍寺境内        うす紅に葉はいち早く萌えいでゝ咲かむとすなり山ざくら花  同  同 同   同   同            ひとの世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ  同  同 同  芦の田 サラダ街道       いついつとまちし櫻のさきいでて今は盛か風吹けど散らず  同 東筑摩郡麻績村 聖高原 聖湖畔          山に入り雪の中なる朴の木にから松に何とものを言ふべき           S.39.7.20  同  同   同 添田 JR聖高原駅前広場   山を見き君よ添い寝の夢のうちにさびしかりけり見もしらぬ山  同 松本市・岡谷市境 鉢伏山 山頂近く   鉢伏の山に朝日さしまろやかに降りつみし雪はよべふりしとふ   常念の峯にゐる雲しばしだに晴れよとまちて時たちにけり(喜志子)  同 松本市芳川村井町 JR村井駅前          ふるさとの信濃を遠み秋くさのりんだうの花は摘むによしなし(喜志子)     S.23.6.27  同  同  同    村井公民館前     四ケ村せんげいまも流れてゐるづらかみなと原長者屋敷は夢のまたゆめ(喜志子) S.36.4.1  同  同 崖の湯 バス終点上の小丘    山にすめは見るものおもふことみな美し霧の中より雪は降りつゝ(喜志子)    S.47.11.3  同 伊那市高遠町東高遠 文学の森    さくらはな咲く日となればうぐひすは啼くもなかぬもかくらひにける(喜志子)  同  同  同 西高遠 黒河内太郎氏宅庭内   それ程にうまきかとひとの問ひたらばなにと答へむこの酒のあぢ 静岡県沼津市千本松原の林中             幾山河こえさりゆかば寂しさのはてなむ國ぞけふも旅ゆく           S.4.7.  同  同 出口町335 乗運寺 牧水墓前                「牧水略譜」                               S.35.9.17  同  同  同    同   同       聞きゐつゝたのしくもあるか松風の今は夢ともうつつともきこゆ        S.55.8.19  同  同  同    同   同      春里の赤石山のましろ雪わかゐる春のうみへより見ゆ(喜志子)         S.55.8.19 静岡県沼津市香貫山 香陵台            香貫山いたゞきに来て吾子とあそびひさしくをれば富士はれにけり       S.35,9.17  同 三島市大宮町2-1-5 三島神社境内        のずゑなる三島のまちのあげ花火月夜のそらに散りて消ゆなり         1959.12.6  同  同  同  桜川畔(水上通り)                  「箱根と富士」より                            (H.6.3.)  同 駿東郡清水町徳倉 本城山公園内   天地[あめつち]のこころあらはにあらはれて輝けるかも富士の高嶺[たかね]は  碑陰なし  同  同 長泉町富士エースゴルフコースイン12番    とほ山の峰越の雲のかがやくや峰のこなたの山ざくら花  同  同  同   同     アウト6番   咲き満てる桜のなかのひとひらの花のおつるをしみじみと見る  同  同  同   同   山ざくら花のつぼみの花となる間のいのちの恋もせしかな  同 裾野市佐野275 鈴木浚一氏宅前の国道沿い  「麦の秋」(6首)                             S.55.4.  同  同 佐野 中央公園内            富士が嶺やすそのに来り仰ぐときいよゝ親しき山にぞありける      S.50.6.  同  同 須山 東和電気工事(株)現場事務所(旧清水館)裏 日をひと日富士をまともに仰ぎ来てこよひを泊る野のなかの村         S.53.10.9  同  同 同 2255-39 富士山資料館前     なびき寄る雲のすがたのやはらかきけふ富士が嶺のゆふまぐれかな       S.53.12.  同  同 石脇586 市民文化センター前庭    より来りうすれてきゆるみな月の雲たえまなし富士の山べに  同 田方郡凾南町 畑毛 多目的集会所前    長湯して飽かぬこの湯のぬるき湯にひたりて安きこころなりけり        S.63.10.吉  同  同  同 畑毛227-2「いずみ荘」庭内    人の来ぬ夜半をよろこびわが浸るいでゆあふれて音たつるかも  同 伊豆市湯ケ島 西平の小丘上 牧水園      うす紅に葉はいち早くもえいでてさかむとすなり山ざくら花 (他4首)      碑陰なし  同  同  同  津田氏宅庭内 (天城屋酒店)       あまぎ嶺に千年の老樹根をひたす真清水くみてかもすこのみき  同 沼津市戸田 御浜公園 灯台横   伊豆の國戸田[へだ]の港ゆ船出[ふなで]すとはしなく見たれ富士の高嶺を     S.55.7.  同 伊豆市土肥289-2 「土肥館」内庭   わが泊り三日四日つゞきゐつきたるこの部屋に見る冬草のやま  同  同  同     同  前     わが泊り三日四日つゞきゐつきたるこの部屋に見る冬草のやま      碑陰なし  同  同  同     同  前       蛙なき夕さりくればかへらましかへらましといふ吾子つれてきぬ(喜志子)    碑陰なし  同  同 土肥 松原公園内        ひそまりてひさしく見ればとほ山のひなたの冬木かぜさわぐらし        S.45.8.吉  同  同 同  橋の袂          花のころに来馴れてよしと思へりし土肥に来て見つその梅の実を  同  同 小下田 恋人岬への遊歩道途中  海女 ひとみには露をたゝへつ笑む時の丹[に]の頬[ほ]のいろは桃の花にして   S.59.10.吉