若山牧水・喜志子・旅人(2) 群馬県吾妻郡六合(くに)村入山1893 「花敷温泉ホテル」前   ひと夜寝てわがたち出づる山蔭の温泉の村に雪降りにけり          S.50.10.19  同  同  同  花敷温泉 川畔旅館   ひと夜寝てわが立ち出づる山蔭の温泉の村に雪降りにけり  同  同 六合村小雨599 第一小学校 校門前  おもはぬに村ありて名のやさしかる小雨の里といふにぞありける   学校にもの読める声のなつかしさ身にしみとほる山里すぎて         S.50.10.20  同  同  同 小雨   九十九折りけわしき坂を降り来れば橋ありてかかる峡の深みに   蚕飼せし家にかあらむを壁を抜きて学校となしつ物教へをり  同  同  同 生須(なます)333 民宿「山市屋」横   九十九折けわしき坂を降り来れば橋ありてかかる峡の深みに          S.53.10.  同  同  同  同       同              「山市茶屋文学碑」                           S.51.春 厄年 同  同  同  同  市川氏宅前   学校にもの読む声のなつかしさ見にしみとほる山里すぎて   幾山河越え去りゆかば寂しさの果てなむ国ぞ今日も旅ゆく   白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしずかに飲むべかりけり  同  同  同 十二の茶屋近く 湯の平(たいら)温泉入口 枯れし葉とおもふもみぢのふくみたるこの紅ゐをなんと申さむ    溪川の真白川原にわれ等ゐてうちたたへたり山の紅葉を           S.52.10.19  同  同  同 入山 暮坂峠          「枯野の旅」                              S.32.10.20  同  同  同 同  暮坂の路傍     夕日さす枯野か原のひとつ路わがいそぐ路に散れる栗実    音さやぐ落葉の下に散りてをるこの栗の実の色のよろしさ          S.53.10.20  同  同  同 同  暮坂峠道(グランド)入口   つづらをりはるけき山路のぼるとて路に見てゆくりんだうの花   くれなゐの胸毛を見せてうちつけに啼くきつつきの声のさびしさ  同  同  同 同   同   渓川の真白川原にわれ等ゐてうちたたえたり山の紅葉を  同  同  同 同   同   散れる葉のもみじの色はまだ褪せず埋めてぞをるりんどうの花を  同  同  同 同   同   さびしさよ落葉かくれに咲きてをる深山りんだうの濃むらさきの花  同  同  同 同   同   上野と越後の国のさかいなる峰の高きに雪ふりにける 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞449 「長生館」庭内        溪の音遠くすみゐて春の夜のあけやらぬ庭にうくひすのなく         S.41.秋  同 秩父市熊木町 羊山公園中腹 (牧水の滝横)          秩父町出はづれ来れば機をりのうた声つゞく古りし家並に          S.30.11.3  同  同  同   同     (牧水の滝横)(もと県立秩父養護学校にあったもの)  のび急ぐしたもえ草のあさみとりあやふくぞおもふ生ひ立つ子らを(喜志子)  S.32.11.3    同 飯能市飯能226 市民会館前          しら/\と流れて遠き杉山の峡のあさ瀬に河鹿鳴くなり         S.36.5.  同  同 下名栗917「大松閣」前        ちろちろと岩つたふ水に這ひあそぶ赤き蟹ゐて杉の山静か          H.2.10.吉  同 所沢市神米金(かめがね)278 若山信市氏宅裏側   のむ湯にも焚火の煙匂ひたる山家の冬のゆふげなりけり           S.53.11.吉 千葉県千葉市若葉区野呂町 野呂PA 文学の森 ありがたや今日満つる月と知らざりしこの大き月海にのぼれり  同 印西市手賀川関枠橋袂   はるけくてえわかざりけり沼のうへや近づき来る鷺にしありける  同 野田市野田 野田キッコーマン(株) 中央研究所前庭   おのづからよろづの味のもとゝなる亀甲万のむらさきぞ濃き          S.44.10.  同 香取市佐原イ 小野川河畔   俥はやがて川か堀かの静かな流れに沿うた流れには…  同 香取郡多古町多古539-1 市原正夫氏宅庭内    はるけく日はさし昇り千町田のたり穂の露はかゞやけるかも    通り雨ふりつよみ来て端居するゆかたのたもとぬれにけるかな(喜志子)    S.57.8.28  同 銚子市犬吠埼 灯台下 遊歩道の岩壁(馬糞の池横)     「犬吠岬にて」(3首)                         碑陰なし  同 いすみ市大原10406(小浜八幡岬) 城山青年館前   ありがたや今日満つる月と知らざりしこの大き月海にのぼれり        S.58.11.  同 南房総市白浜町 根本海岸   しら鳥はかなしからずやそらの青海のあをにもそまずたゞよふ   山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君   大島の山のけむりのいつもいつもたえずさびしきわが心かな 東京都世田谷区玉川3丁目 兵庫島河川公園内     多摩川の砂にたんぽぽ咲くころはわれにもおもふ人のあれかし        S.63.3.吉  同 立川市曙町2-1 JR立川駅北口           立川の駅の古茶屋さくら樹のもみちのかけに見送りし子よ          1950.12.1  同  同 柴崎町6丁目 根川緑道(浄水場湧出口)    ひとりゐはあさこそよけれわか竹の露ふりこぼすかぜにふかれて(喜志子)    H.6.秋  同  同  同     同  (柴崎体育館より東方)(霧の広場)   多摩川の浅き流に石なげてあそべば濡るるわが袂かな             H.13.9.  同  同  同     柴崎体育館裏 立川公園内 菖蒲園入口   霧にこもれる多摩川いつか雨となり芽ぶく楊もぬれはじめたり (旅人)      H.6.秋  同 日野市百草 百草園内        山の雨しばしば軒の椎の樹にふり来てながき夜の灯かな   摘みてはすて摘みてはすてし野のはなの我等があとのとほく続きぬ   拾ひつるうす赤らみし梅の実に木の間ゆきつつ歯をあてにけり         S.46.11.  同  同 同   同              小鳥よりさらに身かろくうつくしくかなしく春の木の間ゆく君         S.60.11.  同 福生市福生455 森田メガネ店庭内   かへるてのわか葉にそよぐ風ありて梅雨に入らむ今日のくもり重たき(喜志子)  S.34.11.3 神奈川県横須賀市北下浦 長沢海岸 長岡記念館前      海越えて鋸山はかすめども此処の長浜浪立ちやまず              S.62.文化の日  同   同   同   同      しら鳥はかなしからずやそらの青海のあをにもそまずたゞよふ   うちけぶり鋸山も浮び来と今日のみちしほふくらみ寄する(喜志子)       S.28.文化の日  同   同  野比2165 最光寺本堂前庭内     酒出でつ庭いちめんの白梅に夕日こもれるをりからなれや   友の僧いまだ若けれしみじみと梅の老木をいたはるあはれ           S.60.11.  同   同  大津町4-1 県立横須賀大津高校 あじさい園内  紫陽花の花をぞおもふ藍ふくむ濃きむらさきの花のこひしさ           S.61.6.吉