與謝野寛・晶子(2) 東京都府中市多磨町4丁目 多磨霊園11区1種10側14番 與謝野家墓域   知りがたき事もおほかた知りつくし今なにを見る大空を見る         碑陰なし  同  同   同    同    同     同       皐月よし野山のわか葉光満ち末も終りもなき世の如く(晶子)         碑陰なし  同  同   同    同    同      同       今日もまたすぎし昔となりたらば並びて寝ねん西のむさし野 (晶子)     碑陰なし  同  同   同    同    同      同         なには津に咲く木の花の道なれどむぐら茂りき君か行くまで(晶子)      碑陰なし 神奈川県横須賀市西浦賀町1丁目 愛宕山公園 山頂    黒船を怖れし世などなきごとし浦賀に見るはすべて黒船  春寒し造船所こそ悲しけれ浦賀の町に黒き鞘懸く(晶子) S.59.文化の日  同  鎌倉市長谷4-2-28 高徳院(大仏)境内    かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな(晶子)     S.27.4.  同  藤沢市江の島 南端の岩屋内 第一岩屋の池中   沖つ風吹けばまたゝく蝋の灯にしづく散るなり江の島の洞(晶子)  同  足柄下郡真鶴町 真鶴岬突端     わが立てる真鶴崎が二つにす相模の海と伊豆のしら波(晶子)         S.27.11.  同   同  湯河原町吉浜 旧有賀別邸 庭内  光りつゝ沖を行くなりいかはかりたのしきゆめを載する白帆そ  吉浜の真珠の荘の山さくら嶋にかさなり波にのるかな(晶子) S.18.3.26 山梨県南巨摩郡増穂町青柳町1202 万屋醸造店(中込家)中庭  法隆寺など行く如し甲斐の御酒春鴬囀のかもさるゝ藏(晶子) (春夫詩併刻)   S.35.10.  同 南都留郡山中湖村平野 文学の森公園     富士の雲つねに流れてつかの間も心おちゐぬ山中の湖(晶子)  同 南都留郡富士河口湖町(上九一色)本栖128「本栖館」前    本栖湖をかこめる山は静かにて烏帽子が岳に富士おろし吹く(晶子)  同  同    同    ( 同  ) 精進湖畔     秋の雨精進の船の上を打ち富士ほのぼのと浮かぶ空かな(晶子)  同 山梨市 JR山梨市駅前広場 左隅   友の汽車われらの汽車と窓ならび暮れたる山に云ふ別れかな   いにしへのさしでの磯を破らじと笛吹川の身を曲ぐるかな(晶子) 新潟県佐渡市岩谷口 押出岬路傍          波寄せて海府の海のふくらめは岩踊るあり歌へるもあり  同  同 金井町 文学公園内(黒木御所跡)      今もこそ歌の帝のいきどほり佐渡の島根の波と荒るるか  同  同 真野 ひな鷲地蔵 文学散歩道    真野のうら御船の着きし世のごとくなほ悲しめり浪白くして    同  同 同   同     同      近づきぬ承久の院二十にて移りましつる大海の佐渡(晶子)  同 村上市岩船 県民自然の森 道玄池    いづくにも女松の山の裾ゆるく見ゆる瀬波に鳴る雪解かな(晶子)  同  同 瀬波いこいの森(夕日の森散策コース)   北海の寂しき色を人恐れまた来て立たず長き沙山(晶子)(板碑28首)  同  同 瀬波温泉 噴湯場   温泉はいみじき瀧のいきほいを天に示して逆しまに飛ぶ(晶子)  同  同  同   夕映えの宿「汐見荘」玄関前の足湯場   瀬波濱宿のあるじが率ひつつ至れる中にあらぬ君かな(晶子)(9首の板5枚)    同 三条市本町6丁目 河川敷公園入口        くろ雲と越の大河の中にあり珊瑚の枝に似たる夕映(晶子) 新潟県長岡市山田 長生橋東側 下流堤防     あまたある洲に一つづつ水色の越の山乗る信濃川かな(晶子)  同  同 同   同 同 ポケットパーク内 落つる日を抱ける雲あり越の国大河を前にしぐれんとする 越ひろし長生橋の上しもにつらなれる山他州にあらず(晶子)  同 柏崎市番神2丁目 番神岬 諏訪神社境内       たらひ舟荒海もこゆうたがはず番神堂の灯かげ頼めば(晶子)        碑陰なし  同 妙高市 池の平公民館前イベント広場                     いみじくも不穢不濁なる二筋の流のはさむ山荘の路(晶子)  長野県上高井郡高山村 山田温泉 高井橋脇 小公園内   鳳凰が山をおほへるおくしなの山田の溪の秋に逢ふかな(晶子)       S.29.初秋  同 下高井郡山ノ内町平穏7148 熊の湯「熊の湯ホテル」ロビー 熊の子のけがして足を洗へるが開祖といひて伝はるいでゆ(晶子)  同 上田市別所温泉大湯 薬師堂歌碑公園内       むら雨が湯場の大湯を降りめぐりしばらくにして山なかば晴る(晶子)  同 北佐久郡軽井沢町長倉星野2148 星野温泉 明星池畔    (表) 一むらのしこ鳥のごとわかき人明星の湯にあそぶ初秋   (裏) 秋風にしろくなびけり山ぐにの浅間の王のいたゞきの髪(晶子)    碑陰なし  同 岡谷市湊 釜口 天竜公園内       諏訪の湖天龍となる釜口の水しづかなり絹のごとくに(晶子)        S.47.4.28  同 諏訪郡富士見町上蔦木 JA諏訪みどり蔦木支所前   白じらと並木のもとの石の樋が秋の水吐く蔦木宿かな(晶子)  同  同  同   同  蔦木宿本陣跡   本陣の子のわが友といにしへの蔦木の宿を歩む夕ぐれ(晶子)  同 松本市浅間温泉3-21-1 神宮寺境内      たかき山つゝめる雲を前にして紅き灯にそむ浅間の湯かな(晶子)      S.32.陽春 静岡県静岡市清水区興津清見寺町418 清見寺境内   龍臥して法の教へをきくほどに梅花の開らく身となりにけり(晶子)     碑陰なし  同  同  同  同       同  聖観音立像台座  清見寺海を仰ぎて鱗くづも救われぬべき身と思ふらん(晶子)  同  同  同  同    420 瑞雲院境内   寒さくら清見の寺に唯た一枝忍ふむかしのある如く咲く(晶子)  同 熱海市下多賀1549-1 多賀中学校正門前 ここに見る多賀の海原ひろければこころ直ちに大空に入る   棚作りの臙脂の色の網をかく多賀の磯より中野濱まで(晶子) S.59.3.吉  同  同   同      同   風涼しひがしの伊豆の多賀に見る水平線のめでたき日かな(晶子)  同 沼津市 大瀬崎 神池のそば      船を捨て異国の磯のここちして大樹の栢の陰を踏むかな(晶子)  同 伊東市吉田字大池 一碧湖畔           初夏の天城おろしに雲吹かれみたれて影す伊豆の湖  うぐひすがよきしのゝめの空に啼き吉田の池の碧水まさる(晶子) S.51.秋  同  同 新井2-13-1 宝専寺 墓地入口   磯寺の竹の林を通す雨しづかに聞けばまじる浪音  同  同  同     同   同   伊東氏占めて三浦に対したる半嶋の春梅椿咲く(晶子)  同 伊豆市湯ケ島 水恋鳥広場   伊豆の奥天城の山を夜越えぬさびしき事になりはてぬれば(晶子)      碑陰なし  同  同  同  浄蓮の滝駐車場 電話小屋の壁    かたはらに刀身ほどの細き瀧白帆の幅の浄蓮の瀧(晶子) (白秋歌 水巴句併刻) 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科 堂ケ島バス停前   島の洞御堂に似たり舟にして友の法師よ参れ心経    堂ケ島天窓洞の天窓をひかりてくだる春の雨かな(晶子) 碑陰なし  同 下田市白浜 三穂ケ崎 尾の浦見晴台   てん草の臙脂の色を沙に干し前にひろがるしら浜の浪   白浜の沙に上りて五百重波しばし遊ぶを逐ふことなかれ(晶子)       H.3.8.1