種田山頭火(1) 北海道中川郡美深町字斑渓228 斑渓(パンケ)生活改善センター  ほっかり覚めて雪   雪をよろこぶ児らにふる雪うつくしき   びっしょり濡れて代掻く馬は叱られてばかり  同  同  同  同 529 遠藤康弘氏宅前庭   ふまれてたんぽぽひらいてたんぽぽ  お日さま山からのぞいてお早う   はてなき旅の遠山の雪ひかる  同 上川郡和寒町字三笠5 三笠山自然公園内 (虹の吊橋渡ったところ)   雪十句 (生死の中の雪ふりしきる (他9句))  同  同 当麻町1614 当麻神社境内      いちめんの雪にして大鳥居立つ  雪ふるひとりひとりゆく   雪あかりのまぶしくも御飯がふく  同  同 鷹栖町 22線13号 丸山自然公園内             雪 雪 雪の一人  同 旭川市南が丘3-1-1 優佳良織工芸館      春風の水音の何を織るのか  雪ふれば雪を観てゐる私です 宮城県仙台市青葉区上杉4-4-50 光禅寺境内  逢へばしみじみ黙ってゐてもかつこうよ   抱壷逝けるかよ水仙のしほるるごとく                    H.元.6.23  同 大崎市鳴子温泉尿前74-2 「日本こけし会館」入口    湯あがりのつつじまっかに咲いて   あてもない袂草こんなにたまり  同 石巻市日和が丘2丁目 日和山公園内 駐車場近く あづまや傍ら     水底の雲もみちのくの空のさみだれ  あふたりわかれたりさみだるゝ     H.元.6.25  同 岩沼市下野郷字浜121 沼田健一氏宅庭内    みちのくにてみちのくの土のあたたかく   水音とほくちかくおのれをあゆます   とほく白波の見えて松のまがりやう 山形県尾花沢市横町4206-2 石沢芳雄氏宅前庭  分け入っても分け入っても青い山                      S.53.10.  同 東田川郡庄内町余目 土堤下38-1 センチュリプラザ和心駐車場  秋兎死うたってガザ咲いておくのほそみち   みちのくにきてみちのくの土あたたかく  同 鶴岡市湯田川乙13 「ホテルみやご」 (現閉店)     みちのくはガザさいて秋兎死うたふ  朝蝉夕蝉なぜあなたは来ない  同  同 大山町2丁目 大山川右岸   月が酒がからだいっぱいのよろこび 福島県須賀川市勢至堂花畑32 鉢の子窯 伊藤文雄庭内       春風の鉢の子一つ 群馬県吾妻郡草津町草津2-1 道の駅「草津運動茶屋公園」展望歩道橋奥   もめやうたへや湯けむり湯けむり 東京都荒川区西日暮里3-1-3 本行寺境内       ほっと月がある東京に来てゐる                       S.61.11.15  同 世田谷区奥沢4-23-8 村田英雄氏宅庭内             鐡鉢の中へも霰 山梨県北杜市高根町 141号線沿い 風の丘公園内  行き暮れてなんとここらの水のうまさは                   H.3.3.吉  同 西八代郡市川三郷町市川大門4930 碑林公園内         分け入っても分け入っても青い山  同 南巨摩郡身延町中富久成 「句碑の里」(句碑の館前広場)   こゝに住みたい水をのむ 新潟県村上市瀬波温泉3丁目 岩船寺山諸上寺公園内  砂丘にうづくまりけふも佐渡は見えない   これがハマナスといふ花の一つをあら波     こころむなしくあらなみのよせてはかへし  同  同 大町 市役所交差点ポケットパーク     水音がねむらせないおもひでがそれからそれへ  同  新発田市飯島甲817 石井正一氏宅庭内     窓あけて窓いっばいの春  ひとりひっそり竹の子竹になる  お日さまのぞくとすやすや寝顔  同 長岡市殿町2-4-17 姉川河川公園(追廻橋畔)  図書館はいつもひっそりと松の秀  同 見附市島切窪町姉崎 養魚池畔            草は咲くかままのてふてふ  同 三島郡出雲崎町米田1 良寛記念館 夕陽の丘公園    あらなみをまへになじんでゐた佛  おもひつめたる心の文字は空に書く  同 燕市(分水)国上1547 五合庵下 本覚院駐車場    青葉分け行く良寛さまも行かしたろ  水は滝となって落ちる荒浪 長野県長野市元善町491 善光寺境内 東の公園内   八重ざくらうつくしく南無観世音菩薩像  すぐそこでしたしや信濃路のかっこう  同 上水内郡信濃町柏原 小丸山公園 俳諧寺前    ぐるりとまはってきてこぼれ菜の花(土蔵)  若葉かぶさる折からの蛙なく(墓所)  同  同   同 同 4382 黒姫和漢薬研究所(えんめい茶)前        ここにおちつき草萌ゆる  同 上高井郡高山村山田温泉 「大湯」前   つかれもなやみもあつい湯にずんぶり  同  同   同  同   薬師堂 右奥   霧の底にて啼くは筒鳥  同 小諸市古城中棚乙1210 「中棚荘」はりこし亭前 駐車場   あるけばかっこうあるけばかつこう  落葉ぬくとしまどろめばふるさとの夢   ゆふかぜさわがしくわたしも旅人  同 千曲市森2-54 「杏の里版画館」前  春の鳥とんできてとんでいった  山ふところ咲いてゐる花は白くて   青く明るく信濃の国はなつかしきかな  同 北佐久郡御代田町大字馬瀬口1901-1 「浅間縄文ミュージアム」前庭   浅間したしいあしたでゆふべで  浅間をまへにまいにち畑打つてふてふ   こんなに蕎麦がうまい浅間のふもとにゐる  同 佐久市岩村田稲荷1490 関口三郎氏宅庭内      風かをるしなののくにの水のよろしさ  同  同  同 4261 鼻顔稲荷神社 裏参道   浅間をむかうに深い水を汲みあげる  あしもと照らしつゝゆくじぶんのあしもと   兄も弟も日にやけて学校へ行く日となった朝飯  同 岡谷市湊4-10-26 花岡茂雄氏宅庭内   うれしいこともかなしいことも草しける                   S.59.7.11  同 木曽郡上松町上松1704 臨川寺境内  おべんとうを食べて洗うて寝覚の床で  同  同  同 桟の地 国道19号線沿い  かけはしふめば旅のこころのゆるゝとも 同  同 木曽郡木曽町福島5659 興禅寺墓所   さくらちりをへたるところ旭将軍の墓  同  同  同  同  同    同 しだれ桜の下   たまたま詣でた木曽は花まつり 長野県飯田市今宮町4-5609 飯田市丸山公民館前      山しづかなれば笠ぬいでゆく                        S.58.11.  同  同 千栄869 森脇嘉孝氏宅庭内 (旧千栄簡易郵便局庭内)           日暮れて耕す人の影濃く  同 伊那市高遠町勝間西和手 勝間薬師堂 しだれ桜の下     太鼓たたいてさくらちるばかり  同  同 美篶末広 井上井月句碑の隣   お墓したしくお酒をそゝぐ  お墓なでさすりつゝはる/\゛まゐりました   駒ヶ根をまへにいつもひとりでしたね  供へるものとては野の木瓜の二枝三枝  同  同 通り町地先 小沢川「伊那橋」   あの水この水の天竜となる水音 同  同 西箕輪与地6563 「こやぶ竹聲庵」駐車場   五月四日と五日の日記 及び歌2首  同 下伊那郡清内路村七々平 国道脇      山ふかく蕗のとうなら咲いてゐる                      S.59.9.29  同  同   同  平瀬 国道脇 馬茶屋之水    飲みたい水が音たててゐた  同  同   同  平瀬 一番清水           山しづかなれば笠をぬぐ  同  同   同  平瀬 国道脇 (句碑公園)  山なみ遠く信濃の国の山羊がなく  同  同   同  平瀬 桜井伴氏宅前庭          山ふかくして白い花    同  同   同  上清内路 長田屋商店 孫六沢橋袂   おだやかに水音も暮れてイサコイヨサコイ   死ぬるばかりの水は白う流れる  なんとかたいつぼみでさくら音頭で 静岡県熱海市下多賀 市立小山臨海公園裏庭     はる/\゛ときて伊豆の山なみ夕焼くる  同 伊東市竹の内2-7-24 「和田湯会館」前   なみおとのさくらほろほろ  湯の町通りぬける春風   大地から湧きあがる湯は有難い  同 下田市四丁目6-7 泰平寺境内      伊豆はあたたかく野宿によろしい波音も                   S.57.3.27  同  同 一丁目22-7 「いず松蔭」庭内       伊豆はあたたかく野宿によろしい波音も  同 静岡市葵区郷島506 冷泉山秘在寺 薬師庵裏庭   つつましくも山畑三椏咲きそろひ  同   同 同  同    同     同   水音のたえずして御仏とあり  同 榛原郡川根本町上長尾322 智満寺 千仏堂前     茶どころの茶の木畑の春雨   同  同   同  同    同 境内   いつ戻って来たか寝てゐる猫よ  同 浜松市天竜区佐久間町大井西渡 西渡バス停前  水があふるる山のおとめのうつくしさ  同  同 西区舞阪町舞阪 弁天島海浜公園 駐車場   春の海のどこからともなく漕いでくる  同  同 中区広沢2-10-1 西来院境内   幾山河あてなくあるいて藤の花ざかり  同  同 天龍区山東2873 光明寺境内   山のよさを水のうまさをからだいっぱい   道しるべ立たせたまふは南無地蔵尊 静岡県浜名郡新居町新居 JR新居駅西 駐輪場横    浜名街道 水のまんなかの道がまっすぐ 富山県南砺市(福野)上川崎143 酒谷道子氏宅中庭内  青田の中の蓮の華ひらいた しぐるゝ土をうちおこしては播く  お日さまのぞくとすやすや寝顔  同  同 ( 同 ) 同 139-3 サカタニ農産     けふから田植をはじめる朝月(他7句)  同  同 ( 同 )上三日市63-1 善本秀作アトリエ 裏庭  てふてふひらひらいらかをこえた (他2句) 岐阜県可児市久久利柿下 安藤日出武 窯元     其中雪ふる一人として火をたく 朝ぐもりの撫でては壷を味ふ  壷のひかりのすこし寒い日