河東碧梧桐（２）

岐阜県岐阜市 長良橋 南袂 　　　　　　　　 　　　       
 　闇中に山ぞ聳つ鵜川哉  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　S.13.冬

　同　　同　長良松籟町 酒塚前 古句十選　　　　  
   交りをかへまじ濁酒酌みにけり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　養老郡養老町養老公園1284 渋谷土産物店前
   明るくて桃の花に菜たねさしそふる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　　同　　同　養老公園1282 養老神社鳥居前 ｢豆馬亭｣前　 
 　滝に在りて風瓢々の夏衣 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　碑陰なし

愛知県知多郡美浜町上野間 鵜の山池畔 　　　 　
   鵜の音雛[もろ]とも巣立つがもろ音　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　S.24.5.

京都府与謝郡与謝野町弓木 大内峠 妙見宮昇り口階段右 　 
   小春雲綿と飛ぶ松沈むかと　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　T.3.仲春

兵庫県洲本市宇原 文学の森内　　　　　　
 　春かけて旅すればしら紙の残りなくもう　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　　同　同　　 同 　　　　　　　　　　　　  
   袖ふれておのれを菊を客の顧み　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

広島県広島市安佐北区可部町南原(なばら)
　 南原峡頭に積む雪の岳は一揺り吹きておろす

　同　尾道市瀬戸田町瀬戸田57 向上寺 山頂近く　 　
   汐のよい船脚をせとの鴎はかもめ連れ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　　同　土堂 千光寺山中腹 文学の小みち  　 
 　□紅(えいこう)の碑あるあり四山眠れるに　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　　同　因島土生町 因島公園内 つれじおの石ぶみ      
   酔うてもたれて正月の屏風　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(S.56.4.)

山口県防府市本橋町2-11 護国寺境内　　  
 　水鳥群るゝ石山の大津の烟(山頭火 井泉水句併刻)　　 　　　　　　　　　　　碑陰なし

香川県さぬき市長尾名1656-1 宇佐神社手洗場  
   散る頃の桜隣のも吹きさそひ来る　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　　同　　長尾西1850 宗林寺一畑御坊境内
   名残の土筆摘む松三本のよりて立つ影　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　　同　　　同　　　　　 同　　　　　 　 
   さくら活けた花屑の中から一枝拾ふ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

  同　　同　　　同　　　　　 同
　 芦の風ざわついて残る蚊の出る　

　同　　同　　多和 竹屋敷
　 我ら聖地の巡礼の瓜店にての言葉

　同　三豊市仁尾町仁尾浜　　　　　　　　　　　
　 一艘は出た亀島めぐる櫓声も遠に

愛媛県松山市二番町4-7-2 市役所前 堀端広場　  
 　さくら活けた花屑の中から一枝拾ふ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　S.7.4.29

　同　　同　東方町902 大蓮寺　　　　　　　　                
 　山川草木悉有佛性

　同　　同　道後町2-5-1 県民文化会館東通り句碑の道　
　 温泉めぐりして戻りし部屋に桃の活けてある
　  (副碑には桃の花活けてあるとなっている)　　　　　　　　　　　　　　　　碑陰なし

　同　　同　道後湯之町20-8 ｢大和屋ホテル｣ 　
　 温泉めぐりして戻りし部屋に桃の花活けてある

　同　　同　福音寺町308-1 福岡治直氏宅庭内　 
 　炉の火箸手にとれば火をよせてのみ

愛媛県松山市神田町4-26 定秀寺 　　　　　　　　　
 　銀杏寺をたよるやお船納涼の日

　同　　同　西垣生町　宇都宮憲市氏宅庭内　　
   炉の火箸手にとれば火をよせてのみ
   しほのよいふなあしをせとのかもめは鴎づれ

　同　上浮穴郡久万高原町直瀬 古岩屋公園 国民宿舎道　　　　
 　一軒家も過ぎおちばする風のままに行く

　同　　同　　久万高原町面河 石鎚山 土小屋付近 
   霧は屋根を西下りつつ峰々の日落ちんとす

　同　今治市大三島町宮浦5402 伊予銀行横 　　      
 　砂白ろに庭燎焚くらむ楠の冬　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　S.58.1.吉

　同　新居浜市立川町 生子橋畔 　　　　　　　　　
　 きみを待したよ桜散る中を歩く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　S.36.7.吉

　同　四国中央市川之江町 川之江城址西北隅 
　 川之江　釣舟見れば鱚のつりたく波足洗ふ　　　　　　　　　　　　　　　　　　S.62.6.

　同　　同　　　川之江町2567 川之江八幡神社境内 
　 子を歩せて下枝々々のさくら咲く方へ行く　　　　　　　　　　　　　　　　　　S.54.12.

　同　南宇和郡愛南町城辺矢野1782 諏訪神社境内 　　　　
 　時鳥川上へ啼移る朝の窓あけて居る(六角柱に八句併刻)

高知県吾川郡春野町弘岡下 若尾家墓地 若尾仲五郎の墓
　 艸をぬき根の白さにふかさに堪へぬ 　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　碑陰なし

大分県竹田市直入町長湯 塩手酒舗前
　 山をやく相談の酒になる哉

鹿児島県出水市本町 広瀬橋袂 　　　　　　　　　
   鮎の初漁の日橋のそこらまで出ぬ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1962.6.1