石川啄木(1) 北海道札幌市中央区大通西3丁目 旧拓殖銀行前   しんとして幅廣[はばひろ]き街[まち]の秋[あき]の夜[よ]の   玉蜀黍[たうもろこし]の燒[や]くるにほひよ               S.56.8.             同  同 豊平区平岸二条16丁目 天神山林檎園 相馬神社裏 石狩の都の外の君が家林檎の花の散りてやあらむ               S.41.10.23  同  同 東区北十一条東12丁目2-15 橘氏宅庭内    林檎の碑 石狩の都の外の君が家林檎の花の散りてやあらむ    同 小樽市相生町3-1 水天宮境内          かなしきは小樽の町よ歌ふことなき人人の聲の荒さよ             S.55.6.  同  同 花園5丁目 花園公園内        こころよく我にはたらく仕事あれそれを仕遂げて死なむと思ふ         S.26.10.  同  同 JR小樽駅前 西階段 上小路   子を負ひて雪の吹き入る停車場にわれ見送りし妻の眉かな  同 虻田郡倶知安町北一条西4丁目 JR倶知安駅前広場     真夜中の倶知安驛に下りゆきし女の鬢の古き痍あと  同  同  同  旭丘公園 中央広場 町営プール前  馬鈴薯の花咲く頃となりにけり君もこの花を好きたまふらむ  同 余市郡余市町入舟町30 「ニューモイレ城閣」近く(この碑は啄木の歌でないことが判明 削除)      神無月にびいろ雲の下ひくく白額浮ぶ後志の山                碑陰なし  同 函館市青柳町17 函館公園内            函館の青柳町こそかなしけれ友の恋歌矢ぐるまの花              S.28.4.13  同  同  同 16-10 臥牛舎前庭        こゝろざし得ぬ人人のあつまりて酒のむ場所が我が家なりしかな        S.61.2.20  同  同 住吉町 立待岬墓地 石川家墓域          東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる              碑陰なし  同  同 日乃出町25 大森浜 啄木公園内   啄木像  潮かをる北の浜辺の砂山のかの浜薔薇よ今年も咲けるや       S.33.10.  同  同  同  大森浜砂山 啄木浪漫館         砂山の砂に腹這い初恋のいたみを遠くおもひ出づる日  同 美唄市東二条南2丁目 JR美唄駅 東口広場     石狩の美国といへる停車場の柵に乾してありし赤き布片かな  同 砂川市空知太551 滝川公園内           空知川雪に埋れて鳥もみえず岸邊の林に人ひとりゐき             S.25,6.10  同 岩見沢市北村豊里 北村牧場入口      石狩の空知郡の牧場のお嫁さんより送り来しバタかな  同 釧路市米町1-2 米町児童公園内           しらしらと氷かがやき千鳥なく釧路の海の冬の月かな             S.9.3.  同  同 大町2-1-12 「港文館」前 (もと幸町公園にあったもの)    啄木像 さいはての駅に下り立ち雪あかりさびしき町にあゆみ入りにき      1972.10.14  同  同 幸町9-1 釧路市厚生年金福祉会館前(釧路停車場跡)   浪淘沙ながくも聲をふるはせてうたふがごとき旅なりしかな           S.58.8.5  同  同 大町2-8 北海シェルスタンド内(釧路新聞社跡)    十年まへに作りしといふ漢詩を酔へば唱へき旅に老いし友           碑陰なし  同  同 南大通3-2 朝日生命前(近江屋旅館跡)     明治四十一年一月二十一日石川啄木妻子をおいて単身釧路…          S.41.11.  同  同  同 5-1 「シーサイドホテル」前(啄木下宿の跡)    こほりたるインクの罎を火に翳し涙ながれぬともしびの下           S.58.8.5  同  同  同 5-2 啄木ゆめ公園内    さいはての駅に下りたち雪あかりさびしき町にあゆみ入りにき 北海道釧路市南大通8-2 佐野碑園前(喜望楼跡)  あはれかの國のはてにて酒のみきかなしみの滓を啜るごとくに         S.58.8.5  同  同 浦見8-2-29 横沢氏宅前(料亭しゃも寅跡)  火をしたふ蟲のごとくにともしびの明るき家にかよひ慣れにき          S.58.8.5  同  同 弥生2-11-22 本行寺石段下(本行寺)      一輪の赤き薔薇の花を見て火の息すなる唇をこそ思へ              S.58.8.5  同  同 浦見8-2番地先            葡萄色の古き手帳にのこりたるかの會合の時と處かな   同  同 同 8-2番地先 旧真砂湯前       よりそひて深夜の雪の中に立つ女の右手のあたゝかさかな  同  同 同 8-1番地先 舟見坂          波もなき二月の湾に白塗りの外国船が低く浮かべり  同  同 米町4-8番地先 くしろバス停       さらさらと氷の屑が波に鳴る磯の月夜のゆきかへりかな  同  同 同 3-1番地先 岬湯前        酒のめば悲しみ一時に湧き来るを寝て夢みぬをうれしとはせし  同  同 同 4-1番地先 米町プラザ第二駐車場前   花の下たもとほる子は行きずりの袖の香りに物言はせけり  同  同 同 1-1番地先 本行寺前歩道     出しぬけの女の笑い身に沁みき厨に酒の凍る真夜中  同  同 同 2-1番地先 厳島神社           春の雨夜の窓ぬらしそぼふれば君が来るらむ鳥屋に鳩なく  同  同 同 3-1番地先 定光寺前歩道      顔とこゑそれのみ昔に変らざる友にも会ひき國の果にて  同  同 南大通7-2番地先 ハツ浪前          西の空雲間を染めて赤々と氷れる海に日は落ちにけり  同  同  同 8丁目 武富小路入口      三味線の絃のきれしを火事のごと騒ぐ子ありき大雪の夜に  同  同  同 6丁目 休坂入口            山に居て海の彼方の潮騒を聞くとしもなく君を思ひぬ  同  同  同 4丁目 アポロン石油スタンド前    我が室に女泣きしを小説のなかの事かとおもひ出づる日  同  同  同 2丁目 菓子舗サカエヤ前       北の海鯨追ふ子等大いなる流氷来るを見ては喜ぶ  同  同 阿寒町阿寒湖畔 ボッケ         神のこと遠くすかたをあらはせる阿寒のやまの雪のあけほの          S.26.9.10 青森県青森市合浦2-16 合浦公園内        船に酔ひてやさしくなれるいもうとの眼見ゆ津軽の海を思へば         S.31.5.4  同 下北郡大間町大間(本州最北端)    大海にむかひて一人七八日泣きなむとすと家を出でにき   東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる   大といふ字を百あまり砂に書き死ぬことをやめて帰り来れり  同 十和田市奥瀬十和田休屋16 「十和田荘」入口    夕雲に丹摺はあせぬ湖ちかき草舎くさはら人しづかなり             S.48.8.26  同 上北郡野辺地町寺ノ沢 愛宕公園内    潮かをる北の濱辺の砂山のかの濱薔薇よ今年も咲けるや            S.37.5.4 岩手県盛岡市盛岡駅前通1-48 JR盛岡駅前広場  ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな       S.37.11.  同  同 新庄町5-43 天満宮境外        病のごと思郷のこころ湧く日なり目にあをぞらの煙かなしも          S.8.7. 岩手県盛岡市天神町5-43 天満宮境内 一対の狛犬台座  松の風夜晝ひびきぬ人訪はぬ山の祠の石馬の耳に               S.8.  同  同  同     同    同        夏木立中の社の石馬も汗する日なり君をゆめみむ               S.8.  同  同  同     同    狐の像台座     苑古き木の間に立てる石馬の背をわが肩の月の影かな   同  同 馬場町1-1 下の橋中学校 校門内    その昔小学校の柾屋根に我が投げし鞠いかにかなりけん            (S.52.秋)  同  同  同    同      同     教室の窓より遁げてただ一人かの城址に寝に行きしかな   城跡の古石垣にゐもたれて聞くともなき波の遠音かな  同  同  同 9 御厩橋袂  中津川や月に河鹿の啼く夜なり涼風追ひぬ夢見る人と  中津川流れ落合ふ北上の早瀬を渡る夕霞かな (父石川一禎歌)          H.5.12.  同  同 加賀野1丁目 富士見橋親柱     岩手山秋はふもとの三方の野に満つる蟲を何と聴くらむ            S.56.3.  同  同  同 1-6-6 オームラ洋裁学校前     故郷の山に向ひて言うことなしふるさとの山はありがたきかな         碑陰なし  同  同 大通2-7-28 「丸藤菓子店」前      新しき明日の来るを信ずといふ自分の言葉に嘘はなけれど――         S.52.9.29  同  同 新庄町 岩山公園 啄木望郷の丘     汽車の窓はるかに北に故郷の山見えくれば襟を正すも    光り淡くこほろぎ啼きし夕より秋の入り来とこの胸抱きぬ (石川節子歌)     S.57.11.29  同  同  同   同  展望台下「啄木詩の道」(全10基)  それとなく郷里のことなど語り出でて秋の夜に焼く餅のにほひかな   友がみなわれよりえらく見える日よ花を買ひ来て妻としたしむ(他8基)  同  同 中央通1-2-3 岩手銀行本店横       もりをかの中学校のはるこんの手すりにもいちと我を倚らしめ         碑陰なし  同  同  同 1-2-1 盛岡赤十字病院跡      学校の図書庫の裏の秋の草黄なる花咲きし今も名知らず            S.62.11.  同  同 前九年3-8-20 江南義塾盛岡高校 体育館横     己が名をほのかに呼びて涙せし十四の春にかへる術なし            S.57.12.吉  同  同 厨川1丁目3番地先 道路沿いの緑地     茨島の松の並木の街道をわれと行きし少女才をたのみき            S.61.12.  同  同 本宮字蛇屋敷2-2 盛岡先人記念館裏庭   ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありかたきかな       S.29.4.23  同  同 高松1-9-45 盛岡市立図書館   ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな