*アトリエ飾り屋に訪ねて来たり、相談を持ち掛けてこられたお客様の共通の質問についてここでお応えします。
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Q:この指輪50%OFFで購入したものなのですが、価値があるものでしょうか?

 宝石は高価なものですから、すこしでも安く購入したいと思う気持ちは否めません。その反面、高価なものだからこそじっくり選んで購入していただきたいと思います。
 宝石を選ぶうえで大切なことは、目的をはっきりさせることです。目的とは、TPOやデザイン、予算です。目的がはっきりしていないと、店員の意見に左右されたり、衝動買いをしてしまったりで、愛着のもてるものを購入できなくなってしまいます。高価なジュエリーだから万能なものをと考えていても、意外と利用頻度は低くなってしまうものです。自分の好きなデザインを納得のいく価格で購入したジュエリーは、いつまでも飽きのこないものです。
「宝石にうまい話はない」と言われています。「適正なジュエリーは適正な価格で」購入するのが、一番賢明なことだということを頭に入れておいてください。簡単に大幅な値引きするものは、どこかにそれだけの欠陥があると考えたほうがよいと思います。まして価格を抑えるために大量製造、販売されている商品などは価値があるわけがありません(安物買いの銭失いですね)。

Q:よいジュエリーを選ぶには、どうすればいいのでしょうか?

 これは、お客様が努力する以外にはないのですが、まず宝石を選ぶときの「基準」を身につけていただきたいと思います。では、基準を身につけるにはどうしたらよいのかというと、たとえば、予算が30万円のリングを購入しようとした場合に、そのリングと同じ宝石で300万円のリング、もしくはそのジュエリー・ショップの最高級品もいっしょに見せてもらうことです。
 こうして2つのリングを同時に比較することで、なんとなく理解できるようになります。これが一番大切なことなのです。数多く経験することで、自分の目が養われ、そして、同時にどこがどう違うのかという疑問点をその場で店員に聞いてください。そうすることによって、さらに目が養われていきます。
 また、このときの店員の対応の仕方で信用できる店なのかが、よく分かると思います(宝飾業界の友人から買うときもいっしょです)。何千万円クラスの商品が常時置いてある店以外(中級店以下)で、お客様の身なりなどで判断するのか、手にとって見せてもらえないようなジュエリー・ショップは避けたほうがよいと思います。

Q:鑑定書や鑑別書が付いているジュエリーは品質がよいのですか?

 ダイヤモンド鑑定書や色石などの鑑別書は、それが付いていると安心してよい品物と考えることが多いと思いますが、鑑定書や鑑別書というのは、その石がどういうものかということがありのまま書かれているだけです。良質だから発行されている、というわけではないのです。
 TVショッピングなどで鑑定書や鑑別書付きという理由でジュエリーを購入する人が多いと思いますが、あくまでもひとつの目安として受け止めるのが妥当だと思います。もちろん、価格が入っているわけでもありませんので、鑑定書、鑑別書があるからといって、高級品という位置づけをすることもできません。逆にいうと、ジュエリーそのものではなく、鑑定書などを売り物にしているジュエリーは考え直したほうがよいと思います。

Q:信用のおける宝飾店を見つけるには、どうしたらいいのですか?

 まずはじめに、品数が豊富であることです。たとえば、パールのネックレスを選ぶ場合に、予算やデザインなどの条件を伝えたときに、同じサイズで違うデザイン、同価格帯のものを何種類も見せてくれるということです。2〜3点しか出してくれないところでは、購入しないほうがよいでしょう。
 そして、自分のファッションの好みを把握してくれることも、チェックポイントだと思います。身につける人のファッションに対する悩みや考えを十分聞いてくれ、それについて対応してくれることは、お気に入りのジュエリーを探すうえで重要なことです。人の話を聞かず、商品を押し付けるような店員のいる宝飾店では、購入しないほうが無難だと思います。購入後のメンテナンスについて、しっかり説明できるかどうかもチェックしておいたほうがいいと思います。
 信頼できる宝飾店は、メンテナンスの面でもしっかりしています。ここに挙げたポイントをクリアできる宝飾店を探すためには、いくつもの宝飾店に足を運ぶ必要があるでしょう。恥ずかしがっているのは問題外。購入したいと思うジュエリーが見つかるまで、根気よく何軒も足を運んで、検討してください。

Q:海外でジュエリーを購入するときの注意点は?

 海外旅行で宝石の原産地を訪れた際に、産地だからよいものが安いという先入観でジュエリーを購入する人も多いはずです。ここで気をつけなければいけないことは、原産地だから、質のよいものばかりであり、また、すべてが本物だという思い込みはしないことです。
 とくに注意したい国は、スリランカ、タイ、インドネシアなどです。どの国も宝石産出国として有名です(宝石産出国でもニセモノは横行しています)。また、宝石の種類とは別に、フォルスネームという俗称があります。例をあげると、「セイロンダイヤモンド」は、じつは無色ジルコン、「アラスカダイヤモンド」は無色トパーズなどです。このように、紛らわしい俗称によって、本来イメージしていたものとはかけ離れたジュエリーを購入してしまうケースが、海外では多いようです。ニセモノではないので、デザインなどが気に入れば問題ないのですが、あとでガッカリということがないようにしたいものです。
 ニセモノが横行している国では、信頼できるショップで購入することをお勧めします。シンガポールや香港などは、政府認定のショップがあり、入り口に認定証が表示されています。納得できるジュエリーを探したいときは、それなりの労力を使うようにするべきだと思います。
 さきほど例にあげた国以外では、オーストラリアなどはダブレット、トリブレットなどのオパールの加工品などが、発掘場所の近くのお店などで売られているので要注意です。

Last Updated on 1999.11.15