旅に出よう、体一つで。重い荷物は邪魔になるだけだね。 旅に出よう、思いつきでいい。着の身着のまま、風の向くまま。 大いなるモノの前で、何かが洗われ、変化するのを感じるのもいい。 旅に出よう、心一つで。力を抜いて、目をつぶればいい。 旅に出よう、想いの世界で。感じたままの心でいいんだ。 ちっぽけな自分の中で、何かが壊れ、硬くなってしまっているね。 不意に我に返ると僕はまだここにいて、現実という道端に立ちすくんでいる。何かに背中を押され、ただ流されようとしている。沢山背負い込んだもらい物の処世術は、結局一つも役には立たなかった。 旅に出よう、いつでも、どこででも。 旅に出よう、風向きが少し変わったみたいだから。 |