ある日

ある時







2014.12.16

言葉をなくした僕は

ふさわしく暮らしてる

言い忘れたことは ない

いや

言いたかったことさえ

なかったのかもしれない


むしろ

書き始めた言の葉が

僕を辱め

弄び続けていたのだ


無口になれないこころの

声は聞こえていた

微かだけれど確かに


噛み殺しはしなかった

だって奴らが

静かに揮発していくと

なんとなく

なんとなくだけど

わかっていたから


言葉をなくした僕も

美しく揮発できるだろうか

優しい空白だけが

残ればいいと思う

綺麗な空白だけが

僕の残骸ならいい


言葉をなくした僕は

揮発しながら

愛される夢に抱かれよう

愛を忘れた世界に

言葉が沁み込む夢も

混ぜながら



見つからない探し物が

 実は

  どこにも存在しないのだと

思い知っていく

 永くて残酷な時間のことを

  人生と呼ぶのかもしれない


たぶん今 2014.11.16くらいです


とても静かな朝の音を聞いている


とても静か過ぎるから

それが朝なのか

幸せなのか

僕なのか

絶望なのか

区別出来ないくらいなんだ


だけど

とても静かな朝の音は聞こえていて

とても静かな気持ちが充満している


みんなが少しだけ力を抜けば

世界は途端に柔和になって

とても静かな愛が沁み

とても静かに溶けていくと


思った


ぼんやりと


だって

とても静かな朝だから


たぶん

理由なんていらないんだ


とても静かな朝が聞こえる?


ねえ




愛してるをひとつ

ポケットに忍ばせて


生きて


生きていけたらいい


たぶん僕の探してるものは

もうすでに

僕の知ってるもので


だから

愛してるをひとつ

ポケットに忍ばせて


歩いて


歩いていけたらいい



たぶん僕に

今足りないものは

もうすでに

持ち合わせているもので


だから

愛してるをひとつだけ

胸に秘めて


ぼんやりと


ただぼんやりと


過ごして いけたらいい



こんこんと光に溢れ


精霊が踊りながら蒸散する様を

僕らは眩しいと深呼吸する


真夜中

しんしんと透明の積もる


寡黙な狂気が充満する

邪気と神秘が静寂を支配する


ねじれた殺意が

再生への衝動のスイッチに触れ


世界は今

静かに動き始めた


まだ生きてみようと思う

不意に飛び出した言葉の塊に

びっくりしながら

汚れていこう


死ぬほど欲しいある種の些細を

明日の少し向こうに


置けば


置けばいいんだ



っと

便意のトイレの

iPhoneから送信



言葉が

言葉って奴が 

 嘘を


いや

 嘘つきを


作ってしまうんです


優しくて ギザギザで

イミフで 

時に あまりにもシンプルで

透明で 淫靡で

まだ温かく 心から逃げ出してきたばかりの

得体の知れない塊が

短い言葉の形で

僕の聴覚に迷い込んできて

ほとんど自動書記で書き留めてみて

自分でも奇妙だなと思い

いたずら半分で人様の目の前に

流してみるイタズラを

もう二十年くらい続けている


だって

無意味は 時々 やさしいだろ?


嘘を洗ってごらん


きっと

素敵が浮かび上がるから


呪いは魔法を含んでしまうんだよ


天使が悪魔を宿してしまうようにね


少し疲れたラブソングを

わざと汚す

綺麗は

キレイには必ず

汚いが混じるから


かすれたダミ声で描く世界に

どれくらいの物語が

迷い込むというのか


誰も聴かない

誰にも聞こえないラブソングを

それでもまだ汚そうとする

伝え方も洗い方も知らない指先が

まだ汚物を吐き出し続ける


少し汚れたラブソングを

そのこころで洗って欲しい

そんなわがままを飲み込んで

また

月を想う


もし美学を気取るのなら

責任取って嘘を貫け

ひ弱な男の女々しさを

生涯を通して隠し続けろ


もし美学を

美学を気取るのなら

その嘘に騙され続けろ

自らを呪うように


もう 絶対届かない君だから思う

届くように歌おうと



言葉で 洗えることもあります


少しかもしれないけど

どうぞ

痛いや怖いを飛び越えてみてください


ねえ

ちっちゃな子供ですよね

そこにいて泣いているのは


生きるのが苦しくない未来が

必ず見つかりますよ


どうか

お大事に



あのね


伝えたい人は 

感じたい人なんだ


それでね


感じたい人は 

やっぱり

伝えたい人なんだと

人なんじゃないかと

僕は思うんだ


そんでね

言葉はちょっち歯痒いよね


だからさ


だから

いいのかもね


あのね


うん


あれだよね







静かな窒息の後

水面に遊ぶ泡ぶく達の

声が聞こえてきた

月明かりに反射した

意味をなくした透明が

歌うように 踊るように

プクプク プクプクッ

プクプク プクプクっと


命の意味が聞こえて

命の声を忘れた


深呼吸とため息が

急に恋しくなって

生まれてみたいと

願ったような気がする

思い出したんだ


痙攣と痺れと硬直と

静かな

静かな窒息の後


2014.08.28


隠微な指先が望んだ月を

月の孤高をこころが見上げる


ねえ

また汚れていいかい?

ねぇ


聞こえない答えに耳を澄ます時間が

僕を命に繋ぎとめてくれる



沈黙を埋める術を

言葉の中に探して

僕らはいつか

堕落したんだ




何もない季節を見送る

何もない僕がいる


空っぽだって歌えるさ

空っぽだから歌えるのさ


何もない季節を見送る

何もない僕らがいたね


君はまだ

僕の痛みなのです


あれが 一番の恋だった っと

最上の人だった っと


そう

昨日達の中に 最上級を見つけた時

見つけてしまった時から


僕らは少しずつ

老いを受け入れていくのかもしれない


明日も未来の一部です


夢から醒めて現実に着地する最初の一歩に付きまとうめまいの

目眩のように

恋からも夏からもほろ酔いからも命からも


立ちすくんだ心が捉える露骨なロコツな畏怖が


朦朧に逃げ込みたい僕らの

ボクラノ


だって

風が無惨だろ?



夢を含んんだナニカだったんだ


夏も 青春も


狂気の混じったナニカだったんだ


夏も 僕らも


だって借り物じゃん


そのラブソング

君だって こころ迷子


鏡に映った聲と

柔らかな乳房の曲線


鼓動の根元で震える

見知らぬ君が見える


君だって こころ迷子

君だって こころ迷子


聞かれる前に零す純情の

嫌らしい漂白された空白


脳髄は想えない

ただ思うだけだ


僕だって こころ迷子

僕だって こころ迷子


詠み人知らずの暗闇に

名前をなくした吐息達が


愛なき寡黙を

感じてと黙り込む


誰だって こころ迷子

世界中が こころ迷子


夜だって こころ迷子

柔らかく こころ迷子


好きなことしかできないって

結局

好きなことしか

冒険をヒトサジ

辿り着けるかではなく

衝動を許すか 

許せるかっという尺度で


夏にだけ含まれる自由と

夜にだけ触れられる領域と


遠い花火が

夢なのか 火傷なのか

日に焼けた肌の痛みに

かくれんぼした疼きがあって


冒険をヒトサジ

ノンフィクションの耳たぶとか

うん

命とか


怖いもの知らずの青春が

命知らずの深呼吸をしながら

夢中の手前の真空で

いいことばかりの明日にみとれている


宿題も終わりもない夏休みの中


答えなき問いと迷い込む袋小路


太陽が盛夏を過ぎたのを

感じないフリをすれば

永遠の扉が開くと信じて

信じていた訳じゃないけど


怖いもの知らずの鼓動が

命知らずの深呼吸をしながら

夢中の手前の窒息で


いいことばかりの


いいことばかりの昨日に


昨日にみとれていた



次の呼吸も明日も

自己責任だよ

こんなに汚れた僕は

決して

決して悟ってはいないと思います

けれど

サトル という段階が すごく崇高で

幾重もの奇跡と 

茫漠たる内省の時間の産物であるのではないか

という感触は

いつしか変わってきました


些細だけども とてもシンプルな気付きの連鎖

命からの声を感じる力のような

思考ではなく

ある種の直感に近い何か

普通に近い普遍の再吸収


サトリ サルトル

サトル チルチル


サトリ サルチル

サトル ホメロス


サトリ サルトル

サトル チルチル


サトリ サルチル

サトミ ミルミル

♪〜

生きることは

剥き出しなんだ


昨日達の中に

僕の詩集はなく


明日達の中で

それはたぶん

ボクラと名乗る


推定無常のこの世界

ゼロの中に何かを感じる

感じるその才能が

鼓動の源泉だと


あくびの中の朝が

朝が教えてくれている

いいね!

うんざりするほど 夏だね


うんざりするほど 夏だったよね

やっぱり

うんざりするほど 青春だったよ

たぶん


無様で痛々しい

青春だったんだ

特別じゃなくてもいい


飛び切りの笑顔だけでいい


ただ真っ直ぐで剥き出しの

君で


君でいてくれたらいい

いいね!


感じたのは 僕の一滴


震えたのは 君の一滴

生きることの中心に

確信を置くということ


生きることの中心に

自作の確信を置くということ


夏って 


どこかで青春に繋がっている


そんな気がするよね

肥溜めに片足を突っ込まなければ

見えない景色もある

はばからずに言ってしまえば

それが

大いなる友達ごっこだとして


繋がったのかもしれないという

錯覚だったとして


笑ったふりに数%の微笑みが混じり


優しさごっこに数gの柔らかさが含まれ


感じたふりに数μの粘膜の憂いが潜んでいたら


そんな夢なら見てもいいと

見たいと思ってもいいと


扇風機の羽音に耳を傾けてみるのです


暑いですね


こんばんは

朗読会

http://www.youtube.com/watch?v=aqrZTCuKB4g&sns=fb


恋を痛むのも

しあわせ

なんでしょうね


花も 笑うんだ


・+-+-+-*


みんな 


 コンナハズジャナカッタ未来に


  いるのかもしれない



   












a



僕は いつの頃からか

こころのスケッチを

はじめたのです


描きたいと感じる景色はいつも

描ける訳がない様に感じる景色で


だけど僕はまだ

どうしても描きたいという衝動と

絶対に描けるはずだという

根拠のない確信に突き動かされて

ココロイロの言葉を

探しています



描けたとしても

何が変わることもないのは

知っています


描けたとしても

伝わることがないかもしれないのも

もちろん

知っています



あのね

今朝の景色はね

とても不思議な色合いでしたよ

僕のポケットの

使い古しの絵の具達じゃ

到底描けないような

奇妙で生々しい

不思議な

それは不思議な色合いでした



こころの隅に走り書きした色が

いつか

不思議を帯びたらいいなってね


そしたら

空に戻れるのかもしれないなって

また戻れるかもしれないって


そんな景色

ねえ

見えているんですよね

ねえってば



僕は いつの頃からか

こころのスケッチを

はじめたのです


ただの落書きですよ

そんなに眉間に皺を

寄せないでくださいって


意味なんてありません

だって意味なんて

色に含まれませんからね

違いますか?



僕はいつの頃からか

君のスケッチも

していたみたいです

君にも 僕にも

誰にも

ナイショなんですけれどね



お元気ですか?



スケッチブックから送信





未来の半分は残酷だったんだ

すぐ 忘れちゃうけど

擦りむいた膝小僧を

ペロリと舐めたら

ベルトコンベアに乗った明日を

また欲しがってしまう僕らなのさ


 愚かさを下敷きに

 新しい歌を作ろう

 苦し紛れに

 純情を混ぜてもいいさ


 愚かさを下敷きに

 新しい歌を作ろう

 照れ笑いにも

 求愛を散りばめてね



命の半分は偶然だったんだ

意味とかをでっち上げちゃうけど

乾いたカサブタの下の

衝動がいやらしいよね

行儀のいい冒険は

美味しそうに見えたかい?


 善悪の下敷きで

 声のない悲鳴が踊る

 狂ってみたって

 天国へは行けやしないさ


 愚かさを下敷きに

 古臭い歌を歌おう

 声だけに

 魔法が混ざると信じて


 









6/14

決して報われることのない求愛が

殺しても殺しても 生まれ続け 

うめき続ける絶望があって


汚したり壊したりして

自分をもてあそぶ罰ゲームでしょうか

ねえ


うん

お元気ですか?




+++

夜を汚すのは蛍光灯と平凡


月が高貴なのは

愛撫に言葉を使わないからなんだ


眼精疲労 感情過敏

腹黒い君が また闇に煌めく


禁句と禁忌と禁断が

遠近法に時間軸を孕ませたらしい


半端な暴発への願望が

五臓六腑を脅迫して


何も産まない狂人が

何も産まない背中を震わせている


ヴィヴィッドな黒

 呪いのように

枯れた純白

 肌を侵食する


感じたら最後

 致命の朱に染まる


2014.06.13



ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月12日

触れたいのは

 触れられないところ  なのです

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月11日

痛んだ指先だけが触れられる

人見知りな疼きがあってさ

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月11日

縛られ続けるということさえ

自由の一部なんだ

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月11日

特別ってのは 大概

むごたらしい背中をしているものさ

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月10日

嘘は 願望だったりもするよね


時々さ

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月8日

僕はただ

  君というラブソングを

    奏でたいんだ

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月7日

さみしいを振り回して

生きていけばいいんです

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月6日

残酷ではない美を


 僕はまだ 知らない

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月5日

答えは

正義ではありません


ただの願望です

ホントにただの

願望です

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月5日

言葉が

僕の言葉が染み込む隙間を


どうぞ 残しておいてください

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月3日

真夜中

独り占めのイビツな月

夜明け前

予感の中の夏


見つめた瞬間

共犯は成立して

接続したプラグは

陳腐な記号に成り下がる


発情は季語にならない

求愛は命そのものだから


真夜中

カップ麺とビール

予感にもならない

指先のただ彷徨う

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  6月2日

遺伝子に刻まれた優しい呪いです


さみしさってやつは

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 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  5月31日

美とは つまり


心地よいバランスのこと


  なのかもしれない

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 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  5月27日

ウツクシイ絵の具だけで


美しい は描き得ない

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  5月22日

革命は  


 破壊からは


  生まれない

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その他

 ゴンタ3号 @gonta3go  ·  5月21日

言葉は必ず濁ります

だから少ない方がいいんです

言葉を嘘を含みます

だから少ない方がいいんです


汚物や虚言を背負っている自覚を持って

伝えてください

書いてください

聴こえてしまうかなしみを

洗い続ければいいだけです

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+++

ゴンタ三号さんが十指松 けいとさんの写真をシェアしました。

5月21日

ゴンタ3号さん。詩人。偉大なるバンド大菩薩のベーシストにしてヴァンフォーレ甲府を支えるファン。「溺れる覚悟もなく 救えるわけがない」「その後の沈黙が 僕らのすべてだったよね」いい夜を持つ言葉の詩人です。

+++

夜と狂気の間

闇と粘膜の隙間


乱数表に奇跡を探すように

偶然に 呪いをかけてみる


魔法の書にもない

詠み人知らずの幻惑が

カラフルな夢に結露する


問い詰めれは正義にはなる

だけど残酷を含まない

明白なロジックを

僕はまだ知らない


朝と体温の間

僕と僕らの

僕らと世界の隙間

いいね!

+++

朝の何処かには 魔法が混ざっている

必ず


おはようとおやすみの間に

絶対すれ違わない肩に


こっそり魔法がかけられたら

いいよね

間違って自分もかかったりしたら

もっといいよね


愛してるほど高尚でもなく

獣ほどの純情もない

僕の


いや

僕らの


おはよう


はじめまして


そして

さよなら

いいね!

+++

ねえ いつか 


この甘く腐敗した世界から

救い出してください


無理なら いっそ

殺してください


そんなラブレターを

もう一度書きたくなる... もっと見る

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+++



多分それは恋で

むしろ叶わない方が長生きするのだろうと

他人事のように思います


一番欲しいものは手に入りません

だって

手に入らないから一番欲しいのだから


その痛みは宝物ですよ


優しい人に

美しく咲くケダモノに

なってください

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何もない世界に未来を浮かべる

何もない今日を生き延びる為だけに


どん詰まり

因果応報

曇天の神聖が

悪魔を産み落とし

静かに静かに産み落とし続け

それでも生きろと

生き続けろと脅迫しているようで


何もない宇宙に僕らは浮かんでいて

意味のないこころに戸惑い続けてしまう


無意味を許される

そんな自由を

死より寡黙な幽玄を

限りない受容を約束された

微睡みのような抱擁を

ひんやりとやさしい頬ずりを

言葉なんて必要としない

どこまでも吸い込み続けられる

深い深〜い深呼吸を


有限を積み重ねても

永遠は生まれない


でもね


日常を熟成して

そして祈ると

魔法が生まれることもある

ごく稀にだけどさ



血まみれで裸で

そして渾身な魂が踊っていた


なぜそんなに胸を打つのかわからなかった


はばかられることだが言ってしまえば

僕らには死を選ぶ自由がある

堕落する自由が

投げ出して逃げる道が残っている

だが死を選ぶのには

狂気を含んだ余程の衝動が必要で

ほとんどの場合

死んだように生きることすら

選び取ることはできない

善良で一生懸命で真面目で

出来ているか否かではなく

そんな風な規範のような

姿を見せないやつに

例外なく支配されている

それに気付かないでいることが

気付けないで生きることが

小ぶりな幸せへの近道なのだろう



正視できない感はあった

得体のしれない違和感があった

手放しで楽しんだり期待したり出来ない感触

ハッピーエンドがイメージ出来難い感じ

不自然で強烈な力が加わっているような

うまくは言えないけれど

悲壮感に溢れ痛々しく

逃げ道を塞がれたまま罰ゲームを踊っているような


自己実現 楽しむこと 

素直な衝動

恐らくメディアに乗り

大きな金が動き

神輿に乗せられたヒーローヒロイン達はは

見えない鎧をまとわされ

自由を失っていったのだろう

洗脳とかマインドコントロールとか

それに近いような何かだろうか

アスリートと呼ばれる人々の中に感じる

ある違和感


才能があり努力もし

前に進む為の環境を周囲が整えはじめると

挫折する自由は失われていく

苦しいならやめればいい という道は

死を選ぶジャンプほどのエネルギーを要するのではないか


注目されメディアが煽り

得体の知れない怪物が

期待感という絶対正義の圧力が


痛みの1gも含まないガンバレを是とした時点で

自分をも支配している超自我という怪物を放し飼いにした

罪深き共犯者なんだ

少なくとも僕は


血まみれで裸で

そして渾身な魂が踊っていた

解放だったんだなと

一握りの人にしか手に入らない自由という輝きを

掴んだ瞬間だったのかなと

なんとなく思う


あぁ


自由になりてぇ






悲劇もドラマの一部で

残酷だからこそ美しく

ヒンヤリと透明に輝く


凛としたその輪郭の

殺意のような純度が

血に飢えた刄の持ち合わせる

ある種の神聖にも似て


命そのままの躍動

正義でも嘘でもなく

ああ

ただそこに

この世に露出してしまった

禁断のイデアのように


 


・夜の降り積もる


夜の降り積もる音が

さみしさみたいな

やさしさみたいな

はかなさみたいな

波紋に聞こえて


闇の向こうに探した影さえ

見失った胸ぐらを想う


砂時計は晩年を奏でて

夢に漬け込んだため息が

茶番色のセピアをまとってしまった


遠回りのキスは

静止軌道で孤独と抱き合っている


静寂の降り積もる夜が

いろのような

こいのような

うそのような


ねえ

触れていいかい





惨劇は突然だった

僕の粘膜は想像を絶する惨劇に窒息したんだ


時々食いたくなるやつがある

「辛」というインスタントなアイツだ

頻繁には食いたかぁないが

時々

ホントに時々食いたくなる

それはある種の冒険のようで

今日はたまたま 

その冒険が発症した日だったのだ


インスタントは休日の昼食だけ

なんとなく決めているのだが

今日は母のヘルパーさんがお昼過ぎに来る日だったので

ごちそうさんの再放送を眺めながらの

いただきますではあった


辛さというのもある種の陶酔で

キツいのに欲しくなるという

マゾヒスティックな快楽に酔う昼下がり

麺を食べ尽くした僕が

辛さという愛撫をもっと求めて

お汁という禁断をすすろうとした

まさにその刹那


唐辛子由来の刺激が喉をくすぐった

軽く咽せそうになって

瞬時に想定されるであろうエマージェンシーが

緊急事態が脳裏に投影され

生体非常回避システムが作動するのを感じた

咳き込めば吹き出す

目撃者は母しかいないのだが

非常に恥ずべき事態を避けるべく

咳を封印しようという意識が

生体反射と交戦する

刺激は強く

中途半端な痙攣の抑制が

鼻孔粘膜への

流体暴君ハバネロの侵入を許してしまった

ある種人生至上最悪の

食品による苦悶

鼻水と涙と愛と絶望

刺激のせいですすり上げることが出来ない

すぐに水道の蛇口に走り

鼻孔を洗浄しようとするが

鼻から吸い上げようという指令が

命令が痙攣で拒絶されてしまう

嫁の屁よりも五臓六腑を悶絶がかけまわり

笑いながら泣き

「どうしたで」と問う母に

説明する言葉が

これが出てこないという

まあ悲劇なのだろうが

喜劇として書いてみるかと

まだ熱もさめぬままの走り書き


辛かった(つらかった

辛かった(からかった




・我知らず落ちた純情


その後の沈黙が

 僕らのすべてだった


読み解かず

 言葉の羅列で埋めて

堕落したのが

 僕ららしい


馬鹿騒ぎにも

不幸自慢にも飽きたら


十六夜の月が照らした

静かな沈黙を思い出せばいい


その後の沈黙が

 僕らのすべてだったよね




予感だけで枯れる花の

足元にまとわりつく

色褪せる速度を微分した美学にみとれて


遠い昔の胸ポケットに探した

ニコチンまみれのアノコロという媚薬


指先が空振りする前に

こころにすとんと落ちた

君の薫りと言葉のリズム


ああ この僕が乱発した卑怯な「君」が

まだ固有名詞だったころ

僕と僕らが同じ浮力を持っていたっけ


予感だけで枯れる花の

足元にそれでもまとわりつく

残酷にむしり取ったつぼみの

それでもとんがっている青臭さの鮮度が



・久しぶり

もう日付も月も面倒臭くなった 一番上が今ならいい 誰かが 君が読んだ瞬間が「今」でいい








 



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